【桐蔭学園-国学院栃木】後半、ゴールライン直前のラックからボールをつなぎ桐蔭学園の古賀龍人が中央にトライ=東大阪市花園ラグビー場で2025年1月5日、中川祐一撮影
1点リードで迎えた後半21分、ゴールまで約5メートルだった。桐蔭学園のフルバック(FB)古賀龍人は、スタンドオフ(SO)丹羽雄丸(たける)からボールを受けた。
【桐蔭学園-国学院栃木】後半、相手のタックルを受けながら桐蔭学園の古賀龍人が中央にトライ=東大阪市花園ラグビー場で2025年1月5日、長澤凜太郎撮影
「自分が行くことしか考えていなかった」。強化してきた上半身の力で相手のタックルをはじき飛ばし、2人に囲まれながらも足を動かしてゴールラインに体をねじ込んだ。試合も終盤を迎え、勝機を引き寄せる貴重なトライだった。
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今季、花園出場が危ぶまれた時期があった。夏合宿の最終盤で右膝の後十字靱帯(じんたい)を損傷した。全治まで2カ月の診断を受けたが手術はせず、治療で花園出場にこぎつけた。
当時を「リハビリの期間は体を大きくしたり、強くしたりする時間だととらえて前向きに過ごした」と振り返る。けがも治り、今大会は初戦の流通経大柏(千葉)戦でもトライを挙げるなど、大舞台での相性の良さが際立つ。
桐蔭学園のFBといえば、日本代表でも活躍する早大の矢崎由高がいる。自身が1年生の時の2学年上にいた先輩だ。「朝練での練習姿勢や方法など、その全てが参考になった」と目標にしてきた存在でもある。
【桐蔭学園-国学院栃木】後半、桐蔭学園の徳山凌聖が相手タックルを受けながらも突進する=東大阪市花園ラグビー場で2025年1月5日、中川祐一撮影
2年連続で決勝の舞台に進み、連覇に王手をかけた。「自分が攻撃の起点になって、どんどん周りの選手を乗せたい。自分たちの代でも優勝したい」。決勝でも最後方から冷静にチームを見据える。【林大樹】