優勝のゴールテープを切る青学大10区小河原(撮影・江口和貴)
<第101回箱根駅伝>◇2025年1月3日◇復路◇東京-箱根(5区間109・6キロ)
青山学院大(青学大)が10時間41分20秒の大会新記録で2年連続8度目の総合優勝を果たした。2015年の初優勝から11大会で、原晋監督(57)は監督別で最多タイとなる8度目の優勝となった。
大手町で笑顔を浮かべながら待ち受けた原監督は「うれしいですね。最近はガミガミ言わなくても寮生活含めてしっかりやってくれる」と笑顔を見せた。11年で8回目の優勝になったことに「学問的な研究もして原メソッドもつくった。各大学もメソッドをつくり、その対決で好記録も生まれている」と続けた。
2位中大と1分47秒差をつけスタート。6区(20・8キロ)で、野村昭夢(4年)が驚異的な区間新記録をマークした。初の56分台となる56分47秒。20年大会で舘澤享次(東海大)が出した57分17秒の歴代最高タイムを30秒上回った。2年連続の6区で、昨季の58分14秒から1分27秒も記録を伸ばした。
2位中大との差を3分49秒差に広げて7区へ。前日2日に原監督が「山下りできちっと野村が走ってくれれば、7、8、9、10は余裕を持って帰れる」と予言していた展開に持ち込んだ。
ただ、描いていた“ピクニックラン”とはいかなかった。7区(21・3キロ)の白石光星(4年)は区間9位。2位に浮上した駒大の佐藤圭汰に追い上げられ、1分40秒差に迫られた。
8区(21・4キロ)は塩出翔太(3年)が、2年連続区間賞の快走を見せた。昨季の1時間4分0秒には14秒届かなかったが「9、10区が気持ちよく走ってもらえるように、積極的に走ろうと思った」と、安定感のある走りを披露。駒大を1分57秒差と突き放した。
9区(23・1キロ)は、田中悠登(4年)が区間2位の1時間8分40秒をマーク。今春から地元テレビ局の福井放送へアナウンサーとして入社が内定しており、“ラストレース”で好走した。駒大に2分21秒と差を広げた。
10区(23・0キロ)は、1万メートルでチーム9位の自己ベスト28分37秒01を保持する小河原陽琉(1年)が出走。大学3大駅伝デビュー戦でアンカーを務め、先頭でゴール。過去6度の往路優勝と同様、復路で一度も首位を譲ることなく、総合優勝を果たした。
◆監督別優勝回数 箱根駅伝を主催する関東学生陸上連盟の公式記録によると、総合優勝をした各大学の監督が明記されているのは64年40回大会以降。青学大の原監督は15年初優勝から今大会で8回目の優勝で、日体大の岡野監督が45回大会から5大会連続優勝を含む最多記録に並んだ。順大・沢木監督の6回が続く。現役監督では、東洋大の酒井監督が3回の優勝を数える。
【総合順位】
(1)青学大 10時間41分19秒(大会新)
(2)駒大 +2分48秒
(3)国学院大+9分28秒
(4)早大 +9分38秒
(5)中大 +11分30秒
(6)城西大 +11分50秒
(7)創価大 +12分16秒
(8)東京国際大+13分36秒
(9)東洋大 +13分37秒
(10)帝京大 +13分39秒
(11)順大 +13分46秒
(12)日体大 +15分03秒
(13)立教大 +17分02秒
(14)中央学院大+18分54秒
(15)法大 +21分57秒
(OP)関東学生連合+25分34秒
(16)神奈川大+26分09秒
(17)専大 +27分34秒
(18)山梨学院大+28分21秒
(19)大東文化大+29分19秒
(20)日大 +30分31秒
※10位までがシード権