みずほペイペイドームを訪れたソフトバンク・嶺井(撮影・成瀬 徹)
“鷹のバッテリィズ”を結成したい――。ソフトバンク嶺井博希捕手(33)が24日、みずほペイペイドームでの調整後に正捕手獲りの意欲を語った。23日に古巣DeNAから浜口のトレード加入が発表され、現役ドラフトでは同じく上茶谷が加わった。22日に漫才頂上決戦「M―1グランプリ」を初視聴し、準優勝した「バッテリィズ」のコンビネーションに感動。左右の元相方との掛け合いに自信をのぞかせた。 ツカミこそハスキーボイスで聞こえにくかったが嶺井は、元相方2人の加入に燃えていた。この日午前までに調整を終えると22年まで自身が在籍したDeNAから加わる浜口と上茶谷とのコンビ再結成を楽しみにした。 「しっかりとバッテリーを組んで、チームの白星が一つでも増えるように頑張りたい。チャンスなのでしっかり準備していきたい」。今季までの正妻・甲斐が巨人にFA移籍。来季のレギュラーマスク争いが激戦となる中で球団は課題の投手力改善のため積極補強。それが今の嶺井には追い風となっている。 23日にトレードで加入が決まった元相方は浜口。嶺井は「ハマちゃん」と呼ぶ。メキシコ修行中の左腕から同日に電話で連絡が入って久々の掛け合い。「何種類かあるチェンジアップは癖があって腕の振りの割に止まって見える特殊な球」。DeNAでは6年間ともにプレー。ネタ合わせは長くはいらない。 現役ドラフトで補強した先発候補・上茶谷の呼び名は「カミちゃん」または「チャタニ」。150キロを超える剛球を4年間、受けてきた。「投球が器用で制球が良かったし球威もある」。右腕がマウンド外で得意とするのが形態模写。選手のモノマネのレパートリーも頭に入っている。 実は22日夜、改めて“バッテリー”の大切さを感じさせられた。漫才頂上決戦「M―1グランプリ」の第20回大会を初視聴した。特に目に留まったのが連覇を果たした令和ロマンと2位のバッテリィズ。「令和ロマンの1本目のネタが好きでしたが、バッテリィズのコンビ愛は最高」。オフには令和ロマンのツッコミ担当・松井ケムリばりのひげをたくわえる男は、草野球でもコンビを組んでいるバッテリィズの直球漫才に感動したという。 今季は6月7日のDeNA戦で1軍初昇格。4試合で6打数3安打1本塁打3打点と勝負強さを示したが、先発マスクはなかった。元相方2人とのコンビ結成となれば、スタメンの舞台に戻れる可能性は高まる。狙うはリーグ連覇と日本一。「昔、一緒にやってきて、またできる日が来るか。あとは本人、嶺井ですかね」。33歳は少しだけボケていた。 (井上 満夫)
◇バッテリィズ 後毛が長く、パッツン前髪のエースと、ボケの寺家(じけ)からなる若手コンビ。2017年結成。コンビ名の由来は、草野球でバッテリーを組んでいたことから。エースがその名の通り投手で、寺家が捕手。大阪よしもと芸人の草野球チーム「上方ホンキッキーズ」を設立し、草野球日本一のチームと引き分けたこともあるという。M―1はこれまで昨年の準決勝が最高で、今年初決勝進出。ファーストステージは861点で1位。最終決戦は準優勝だった。今年のytv漫才新人賞3位。吉本興業所属。