『M-1グランプリ』『キングオブコント』ともに2年連続で決勝進出を果たし、テレビや劇場、YouTubeと幅広く活躍しているお笑いコンビ・ニューヨーク。今月18日にNetflixシリーズ『イカゲーム』シーズン2(12月26日より世界独占配信)の取材会に参加した2人にインタビューし、ドハマりしたという『イカゲーム』の魅力をはじめ、作品にちなみ、人生どん底だった時期や転機、さらに、これから人生を大きく変えられるとしたらどうなりたいか話を聞いた。
- お笑いコンビ・ニューヨークの嶋佐和也(左)と屋敷裕政 撮影:蔦野裕
『イカゲーム』は、借金やトラブルにより人生を諦めかけた者たちが、人生一発逆転できるほどの高額賞金を懸け、負けたら即死のゲームに巻き込まれていくサバイバルスリラーで、2021年に配信されたシーズン1が大ヒット。シーズン2では、ソン・ギフンがゲームで優勝してから3年後――残酷なゲームに終止符を打つため、ギフンは黒幕を明らかにしようと再び足を踏み入れる。ニューヨークは、自身のYouTubeでシーズン2の予想動画を公開するほど本作にドハマり。取材会ではイカゲームを運営する兵士・ピンクガードに扮した。
――予想動画を上げるほど『イカゲーム』が大好きとのことですが、作品の魅力をどのように感じていますか?
屋敷裕政:映像がめちゃくちゃすごかったですし、みんなデスゲームものって好きじゃないですか。しかも、日本人に馴染みのあるルールのゲームが多かったので、入りやすいなと思いました。
嶋佐和也:残酷なゲームの話ですが、いろいろな人間模様が描かれていて、見ていて胸がウッとなる感じがたまらないというか、ついつい見たくなる作品で面白かったです。
――シーズン2に期待していることは?
屋敷:シーズン1で謎だった部分がどんどん解明されていったらいいなと期待しています。3で完結することが決まっているみたいなので、3につながる新たな謎も出てきそうですよね。
嶋佐:俺はアントニーが出てくるんじゃないかなと。『地面師たち』(Netflix)で演じていたオロチとして参加するのを期待しています(笑)
屋敷:出てこんよ!(笑)
- Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン1:独占配信中 シーズン2:12月26日世界独占配信
――『イカゲーム』では人生崖っぷちの人たちがゲームに参加しますが、ご自身がどん底だった時期を挙げるとするといつ頃でしょうか。
屋敷:2019年に初めて『M-1』の決勝行く前ぐらいは、バイトもしてないけど、貯金も全然なくて、家賃もギリ払えるか払えへんかぐらいだったので、崖っぷちだったかもしれません。
嶋佐:確かに、崖っぷちでしたね。
屋敷:その頃は、『M-1』がイカゲームみたいな感じで、ここで生き残らんと芸人生命やばいという感覚になっていました。
嶋佐:『M-1』は“イカれた”ゲームですよ(笑)。芸人は生死をかけていて、決勝に行けるか行けないかで人生左右されるので、恐ろしいゲームです。僕らは決勝に2回行かせてもらいましたが、決勝に行けてなかったらこの場に立ってなかったかもしれません。
――“イカれたゲーム”とのことですが、『M-1』への感謝も大きいですか?
屋敷:そうですね。命拾いさせてもらいましたから。
――『M-1』決勝進出がお二人にとって転機に?
嶋佐:もちろん! 『M-1』というイカゲームのおかげで、という思いはあります。
ラパルフェにネタ完コピされ話題に「ありがたい」
――2022年以降、賞レースへの不参加を表明されていますが、賞レースから解放されてからの変化をお聞かせください。
屋敷:その前もそんなにガチガチに縛られていたわけでもないですけど。
嶋佐:でも、ストレスではあったので、それがなくなったというのは気持ち的には違います。
屋敷:ただ、知り合いがたくさん出ているので、そんなに気楽にという感じでもなく、緊張感はあります。
嶋佐:見る側もグッとなりますね。
――ラパルフェさんが今年の『M-1』の準々決勝で、ニューヨークさんが2019年の決勝で披露したネタを完コピし、大きな話題に。
屋敷:すごいウケていたことにびっくりして、自分たちのネタがみんなの記憶にまだ残っているんだというのがうれしかったです。パクってくれること自体もうれしいですし。
嶋佐:話題にしてくれてありがたいなと。僕らの当時のネタをYouTubeに上げているんですけど、その元ネタの再生数も伸びて。ラパルフェがカバーした動画の方が僕らの元ネタより再生数が多いんですけど、ありがたいです。
――お二人は来年1月に結成15周年を迎えられ、来年が『M-1』に出場できるラストイヤーとなりますが、出場は考えてないですか?
屋敷:今のところは予定してないですね。
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――『イカゲーム』では登場人物たちが人生一発逆転を目指しますが、お二人はこれから人生をガラリと変えられるとしたら、どういう風に変えたいですか?
屋敷:世界で当たったら面白いですよね。
嶋佐:今、芸人も世界で活躍されている方が出てきていますし、僕らもニューヨークという名前でやっているので何とかならないかなと。
――どういうことをしたら世界への道が開けそうですか?
屋敷:今、模索中です。ネタなのか何なのかわからないですけど。そんなこと今まで考えたこともなかったんですけど、最近少し意識するようになりました。
嶋佐:僕らも『イカゲーム』に続いて、世界に行きたいです!
――世界を意識するようになったきっかけは?
屋敷:(放送作家の)高須(光聖)さんのラジオにこの間出演させてもらった時に、高須さんが俺らの志の低さにびっくりしていて、2時間ずっと話がかみ合わずに終わって、それが刺激になりました(笑)
嶋佐:「もったいないなー。俺がお前らだったら世界行ってる」って。
屋敷:高須さんの話を聞いて、もうすぐ40代だし、何かチャレンジというか、面白いことを思いついたらやりたいなと思いました。
嶋佐:韓国でも何かできたら。旅行で行ってすごくよかったので、仕事でも行きたいです。
――芸能界を生き抜くために大切だと感じていることもお聞かせください。
屋敷:3年ぐらい前にナインティナインの岡村(隆史)さんから「年2回の差し入れが大事」と聞いてから、それをするように。年始1発目の収録とか、特番や新番組の時に出すようにしています。
嶋佐:僕は挨拶が大事だなと。芸能界は挨拶ゲームなんで(笑)。『アッコにおまかせ!』とか、必ず本番前にアッコさん(和田アキ子)に挨拶に行きますから。そういうのが大事だなと思います。
「新たな代表作のような番組ができたら」という思いも
――先ほど世界進出への意欲を語ってくださいましたが、改めて今後の抱負をお聞かせください。
屋敷:何か新たに挑戦できることがあるならやってみたいなという思いがあります。ネクストゾーンというか、ネクストステージに行けたらいいなと。
嶋佐:芸人はいろんな仕事をさせてもらえるので、どの仕事も楽しいですが、来年も今までやったことがないような刺激的で楽しい仕事が舞い込んできたらうれしいです。
――屋敷さんがおっしゃるネクストステージの一つが世界ということに?
屋敷:世界かもしれないですし、『ジョンソン』が終わってしまったので、新たな代表作のような番組ができたらいいなと思います。
――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
屋敷:20年以内には世界で何かやれたらいいなと(笑)。まだ何にも浮かんでないですけど、高須さんの話を聞いて、お客さんがワクワクできる芸人でいたいと改めて感じ、そうなれるように新しいこともやりたいと思っているので、見ていてください!
嶋佐:『イカゲーム』のような世界的なドラマにも出演したいので、Netflixの海外ドラマも目指して活動していけたらと思います。
■ニューヨーク
嶋佐和也(1986年5月14日生まれ、山梨県出身)と屋敷裕政(1986年3月1日生まれ、三重県出身)によるお笑いコンビ。2010年1月に結成。『キングオブコント』では2020年と2021年に決勝進出(2020年は準優勝)。『M-1グランプリ』では2019年と2020年に決勝進出。公式YouTubeチャンネルでは、企画動画と共に「ニューヨークのニューラジオ」(毎週日曜22:00~生配信)が人気を博している。