ハイセンスジャパン、横浜DeNAベイスターズ青星寮の選手部屋に、ハイセンステレビ21台を寄贈

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The Birth and Death of the Universe through Mount Fuji / 3776

富士山は何でできている?…原子?いや、素粒子? 富士山はどこにある?…もちろん、この宇宙! この宇宙の中でどうやって生まれ、その全てはどうやって消えてゆくのか。富士山ご当地アイドル3776(みななろ)の井出ちよのが、14のピュアでポップなアイドルソングに乗せて皆様をご案内。「3776を聴かない理由があるとすれば」「歳時記」に続く3776の5年ぶりのフルアルバム。今回もカウントします!宇宙が始まってから終わるまでを、途切れなく。

レーベル:Natural Makeレゾリューション:24bit/96kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

2位:/04 /05 (2024 Remaster) / 坂本龍一

/04 /05 (2024 Remaster) / 坂本龍一

2004年発売『/04』。2005年発売『/05』。2作の作品を2枚組として最新リマスターにより再発売。映画テーマ曲、CMソング、ソロ作品、YMO楽曲など、坂本龍一クラシックスの数々をピアノを中心とした演奏で収録したセルフカバー・アルバムであり、まさにピアノ演奏による坂本龍一ベスト・アルバムともいえる作品!

レーベル:WM Japanレゾリューション:24bit/96kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

3位:跡暖空 / MyGO!!!!!

跡暖空 / MyGO!!!!!

迷子でもいい、前へ進め───。 バンドリ!プロジェクトの新たなバンドとして始動したMyGO!!!!!より、2nd Albumをリリース。

リードトラックである「歩拾道」は、劇場版「BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 後編 : うたう、僕らになれるうた & FILM LIVE」のエンディングテーマであり、答えのない中でも確かな一歩一歩を進んだ、少し先の彼女たちの姿も感じられるエモーショナルなミディアム・チューン。 同じく劇場版「BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 前編 : 春の陽だまり、迷い猫」エンディングテーマの「過惰幻」のほか、これまでのSingle収録楽曲に加え、新規制作楽曲を含む全12曲を収録したFull Albumとなっている。

レーベル:ブシロードミュージックレゾリューション:24bit/96kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

4位:Lonely Ghost / 土岐麻子

Lonely Ghost / 土岐麻子

土岐麻子がソロデビュー20周年を迎えた節目に、約3年ぶりとなるオリジナルアルバムを発売!

今年ソローデビュー20周年を迎え、ベストアルバム発売にライブツアー、様々なアーティストとのコラボレーションなど、精力的に活動を続けるシンガーの土岐麻子が、約3年ぶりとなるオリジナルアルバム「Lonely Ghost」を発売。サウンドプロデューサーのトオミヨウと約5年ぶりのタッグを組み、アルバム全曲を共に制作。 何気ない日常の中に潜む違和感、暮らしの中で出会う不可解なこと、それらを”ミステリー”と称し一枚のアルバムで表現。常に日常と非日常を行き来する、人間の奇妙で奇怪な人生が、痛快に寂しげに、キラキラと描かれる。

レーベル:A.S.A.Bレゾリューション:24bit/48kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

5位:DEEPER / fox capture plan

DEEPER / fox capture plan

2024年7月に新レーベルを設立し、情熱的かつクールな新感覚サウンドで、ピアノトリオを新時代に導いたfox capture planが約3年ぶりとなるフルアルバムをリリース!今作はフルアルバムとしては11枚目となり、これまでのfox capture planの楽曲にはなかった雰囲気の新曲が多数収録され、新たなフェーズに入ったfox capture planを感じることができる。

レーベル:キャプチャリズムレゾリューション:24bit/48kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

6位:歳時記 / 3776

歳時記 / 3776

2時間が1秒?…富士山にとっては、そのくらいの感覚なんです。1年12ヶ月366日を、73分12秒で。―「3776を聴かない理由があるとすれば」以来約4年ぶりとなる、富士山ご当地アイドル3776(みななろ)のフルアルバム、「歳時記」。富士山を構成する様々なものの気持ちになって、井出ちよのが歌うオリジナル曲「2037年のバレンタイン」「八十八夜」「リピーター」等に加え、ポップまたはアバンギャルドにアレンジされたわらべ歌も多数収録。どこか懐かしい、どこか新しい、そんな体験をお届けします。ブックレットには2020年のカレンダーも。富士山を中心とした日本の12ヶ月を、このアルバムでぜひお楽しみ下さい。

レーベル:Natural Makeレゾリューション:24bit/96kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

7位:色彩 / ヰ世界情緒

色彩 / ヰ世界情緒

ヰ世界情緒、約2年振りとなる待望の2nd Albumが遂に完成! 香椎モイミ・はるまきごはん・柊マグネタイト・廉・糸井塔・SLAVE.V-V-Rという豪華プロデュース陣を迎えた全15曲を収録。また、本人が初めて作詞に挑戦した「かたちなきもの」も収録。様々な色を纏い、表現力の幅を広げ続ける”ヰ世界情緒の今”が詰まったアルバムとなっている。

レーベル:PHENOMENON RECORDレゾリューション:24bit/48kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

8位:eve / Albemuth

eve / Albemuth

バーチャルシンガー「存流」「明透」のユニット“Albemuth”の 1st Album「eve」。 正反対の個性を持つ二人が更なる音楽性の拡張を目指した今作は、 初めて二人で歌唱した「新世界へ」「赤い洗礼」をはじめ、「幽ノ楽園」「感光」「星月夜の調べ」など全配信シングルの他、新曲も加えた全10曲を収録。

レーベル:SINSEKAI RECORDレゾリューション:24bit/96kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

9位:棘ナシ / トゲナシトゲアリ

棘ナシ / トゲナシトゲアリ

2024年春アニメとして全13話が放送され、Xトレンド7週連続1位を獲得するなど爆発的な盛り上がりを見せた新作オリジナルアニメ『ガールズバンドクライ』。その劇中に登場するガールズバンド・トゲナシトゲアリの2nd Album。今作はTVアニメのオープニング主題歌「雑踏、僕らの街」やエンディング主題歌「誰にもなれない私だから」はもちろん、劇中で披露された数々の挿入歌を収録。さらにTVアニメでは使用されていない新曲2曲も加えた全12曲が収められており、作品の追体験だけに留まらない内容となっている。リリース2日後の8/30にはさいたまスーパーアリーナで開催されるAnimelo Summer Liveに初出演。9/13には2ndワンマンライブを開催。以降も続々とライブ開催が決まっており、アニメ放送後もバンドとしての活動は活発に続いていく。

レーベル:Universal Music LLCレゾリューション:24bit/48kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV

10位:ASU / 明透

ASU / 明透

バーチャルシンガー明透の1st Album。今作はYouTube再生数200万回超えの「スロウリー」をはじめ、「ソラゴト」「インパーフェクト」「アンダーブーケ」「ライトイヤーズ」など全配信シングルと、明透のこれからを予感させる新曲、そしてインストアレンジを加えた全12曲を収録。ジャケットのイラストは、キャラクターデザインと同じく米山舞が担当。

レーベル:SINSEKAI RECORDレゾリューション:24bit/48kHz

ファイル形式:ALAC / FLAC / WAV / AAC

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文化庁は、一般社団法人 私的録音録画補償金管理協会(sarah)から申請のあったブルーレイディスクの機器・媒体に係る補償金について、令和6年12月25日付けで文化庁長官が認可を行ったと発表した。今回認可された補償金の額は、“特定機器” が1台当たり¥200(税込)、“特定記録媒体” は当該特定記録媒体の基準価格に1%を乗じて得た金額になる。Sarahでは、令和7年4月1日からの本補償金の徴収開始を目指しており、具体的な徴収開始時期については準備が整い次第サイトで告知される。

本件についてはStereo Sound ONLINEでも、2022年7月4日に麻倉怜士さんによるリポートをお届けしているが、その際に麻倉さんが心配していた事態が起こってしまったことになる。

ここで言う “特定機器” とは、「デジタル方式の録画機能を有する機器であって、著作権法施行令第1条で定められたもの。」とのことで、もちろんBD/HDD(ブルーレイディスク)レコーダーを想定しているだろうが、解釈次第ではディスクドライブを持たないHDDレコーダーやPCも含まれる可能性はあるわけで、そのあたりが今後どこまで拡張されるのかは、注意が必要だろう。

もうひとつの “特定記録媒体” は、「特定機器によるデジタル方式の録画の用に供される記録媒体であって、著作権法施行令第1条の2で定められたもの。」だという。ここにある著作権法施行令第1条の2には、「デジタル方式の録画(デジタル方式の録音及び録画を含む。)の用に供される同項各号に規定する磁気テープ又は光ディスク(小売に供された後最初に購入する時に録画されていないものに限る。)とする。」といった記述があり、録画用ブルーレイディスクが含まれるのは間違いないだろうが、HDDやUSB、SSDも対象になるのかはっきりしない。

さらにHDDやUSB、SSDが対象になった場合、「録画用」を謳った製品に限るのか、PC用であっても録画ができれば対象となってしまうのかなど、どのようにして決定されるのかもいまひとつわからないのが現状だ。

補償金の徴収額は、先に書いた通りハードウェアが1台あたり¥200(税込)で、記録媒体は基準価格に1%を乗じて得た金額となっている。2層式50Gバイトのブルーレイディスクで1枚当たり3〜4円くらいと思われるが、ヘビーユーザーの場合使う枚数が多いのでそれなりの額になる可能性は高い(HDDやSSDならなおさら)。メーカーや販売店がこの金額を負担することはないだろうから、結局はユーザーが払うことになるわけで、今後はどの番組を残すかについてよりシビアに考える必要がでてきそうだ。

文化庁では、「本補償金の徴収に当たっては国民の理解が重要であることから、協会が中心となって、製造業者や消費者団体等と連携しながら、本制度の趣旨や意義等について国民の理解促進に向けた活動を継続的に推進することを申し添えます。」としているが、そもそもデジタル放送のダビング10との関係がどうなったのかも不明なわけで(日本レコード協会から「私的な規模や領域を超えてまでコピーが拡散することを抑止しているにすぎず、その範囲で行えるコピーに対する対価の還元の必要性がなくなるわけでもありません」といった見解が出てはいたが)、国民の理解促進に向けた活動が活発に行われているとは思えない。その点については、sarahに前向きな姿勢を期待したところだ。

近年は動画配信サービスの普及により、“放送を録画してメディアに残す” ことに熱心なユーザーは減っている。そんな状況下でブルーレイディスクレコーダーや録画用ブルーレイディスクを対象にしても、補償金の規模は限られている。うがった見方かもしれないが、今回の決定は、先に書いたようなそれ以外の機器やメディアまで視野に入れているようにも思えてしまう。オーディオビジュアルファンとしては、そんなことがないようにウォッチしていきたい。(文:泉 哲也)

ブルーレイディスクの機器・媒体に係る私的録画補償金の額の認可について

www.bunka.go.jp

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2024年のオートサウンドウェブグランプリでブロンズアワードを獲得したパイオニア、カロッツェリアのAVナビゲーション「サイバーナビ、912マークIV(4)」。オーディオプラットフォームを大きく変更したマークIIIと同じサーキットとし、地図情報の変更のみながらブロンズの受賞となった理由はどこに……。ここでは選考会で各賞を確定した直後の座談会を紹介する。[編集部]

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー

[石田功、鈴木裕、長谷川圭、藤原陽祐、黛健司、脇森宏]

(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

Auto Sound Web(以下ASW):ここではブロンズアワードのカロッツェリアサイバーナビ912マークIVついてうかがいます。脇森先生からお願いいたします。

脇森 宏(以下、脇森):はい。サイバーナビは相変わらず大したものだなあと思います。同じモデルでも去年聴いて今年聴いて、だいたい去年聴いた印象と違う時が多いんですが、この製品についてはほぼ変わらない。

相変わらず高いところにいらっしゃる。よくもまあこんなものができたねと、一年越しに改めて聴いてみて思い知りました。一度聴いただけだと、ただいい音の製品だということはわかるんですが、そのいい音の凄さまで気づくのは1年たってみて今聴いてわかりました。2年続けて同じ感想を抱かせるというのは、これは難しいことです。音楽的にも素晴らしいし、音に説得力があるし、現状を打ち砕くライバルの出現はあり得るのだろうかと思ってしまいます。

脇森宏氏

ASW:鈴木先生、お願いいたします。

鈴木 裕(以下、鈴木):去年のモデルと直接比較したわけではありませんけれど、記憶の中の音と比較してS/Nが高くなったように感じました。

長谷川圭氏

長谷川 圭(以下、長谷川):マーク4は、地図データの更新以外設計変更などはされていないですよね、ただ、製造ロットの都合でもしかしたら、使用パーツの一部変更があるのかもしれないと聞きました。パーツが変わっていたとしても、仕様上の変更ではないため、変更しているかどうかの確認は取りにくいようです。

実際に、マーク4とマーク3に音の違いはわずかながらあるように感じています。そしてマーク4の方がより良い音でなっているように感じました。

ASW:なるほど、オーディオはほんのわずかな違いでも、音になると大きな違いのように聴けることはありますね。続いて藤原先生はいかがでしたか?

藤原陽祐(以下、藤原):ナビとしていろんなものを積んでいるような筐体から出ている音ではないなと、まず、そこは感じました。オーディオ専用に作られたしなやかで繊細な香りを感じる音で、パイオニアの正攻法な高級機が培ってきたかのような質感の良さや繊細さとか、しかもそこに力強さを併せ持っている、とてもドキッとさせられる音が出てきます。とても感心しますね。

藤原陽祐氏

特に今回聴いて思ったのは、響きの緻密さとかグラデーション、奥行き方面の表現とかいいですよね。鈴木さんがおっしゃったS/N感の良さは圧倒的な感じがしますね。S/Nを向上させて細かいところまで掘り起こして聴かせてくれる。高級オーディオ機器の作りの良さを感じることができました。

ASW:続いて、石田先生お願いいたします。

石田 功(以下、石田):実はAVナビの音の確認をした際に、サイバーナビの直前がパナソニックのストラーダを聴いて、パナソニックが新ストラーダでがらりと変わりましたよね。『これはカロッツェリアを超えてきたな』と思ったんですが……。

藤原:パナソニック良かったですよ、ドライブメカがなくなって。

石田功氏

石田:そうですよね。そのあとにサイバーナビを聴いたんです。そうしたらやっぱり『パイオニアカロッツェリアは全然いいじゃないか』と考えを改めました(笑)。さすがの一言に尽きます。

黛 健司(以下、黛):たしかに、AVナビゲーションという製品形態ながら、音は「本格派ヘッドユニット」という印象で、他を引き離していました。カロッツェリア開発陣の「よい音」に対する「執念」を感じました。さすがに、30年にわたってカーオーディオの音を追求し続けてきたカロッツェリアの最新作だけあって、再生音のクォリティは圧倒的に高かった。

黛健司氏

S/N感がいいので、音場がひっそりと静かです。また、音場の見通しがいいのも、基本性能の高さゆえでしょう。さらに、圧倒的な分解能の高さが活きて、たとえば、ヴォーカルのビブラートが、より鮮明かつ微細なところまで聴き取れる。ヴァイオリンのニュアンスに富んだ響きなど、カーオーディオ機器離れしていると言っても過言ではありません。今日、これだけのクォリティの再生音が聴ける「ヘッドユニット」はこれしかないと、断言してもいいでしょう。

ASW:長谷川先生はいかがですか?

長谷川:私の印象も石田さんに近くて、ソースプレーヤーとしての完成度がとても高い。グランプリ候補機種の最終的な音の確認をさせてもらう場で、このサイバーをリファレンスに使わせてもらってました。安定の高品質です。何を聴いてもその製品の音を正しく評価できると安心して聴けました。何よりもCDがちゃんと聴けるのがありがたくも感じました。

鈴木裕氏

鈴木 裕:そうですね。CDの音も素晴らしかったし、こういうプレーヤーがあるというのは大事ですね。

長谷川:他社の話を出して申し訳ないけれど、ストラーダのBDプレーヤーは、メカの出来もとても良くて、CD再生でも他社を引き離していたと思うんですね、それがなくなった今、CDの高音質再生がかなうのは貴重だろうなと思った次第です。

ASW:CDをお持ちの方にとっては大事なお話ですね。再生装置としていつまで残るのか、見守っていきましょう。ありがとうございました。

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Zidoo(ジドゥ)から登場したストリーミングプレーヤーの「UHD8000」は、セパレート型HDMI端子を搭載し、ストリーミングサービスで配信されている空間オーディオの楽曲を、ドルビーアトモスのままで出力できる貴重なモデルだ。というのも、空間オーディオはアップルミュージックなどで近年対応タイトルが充実してきているが、その多くはヘッドホンなどを使ったバーチャル再生のため本来のパフォーマンスを再現できていないことが多いからだ。そこで今回は、UHD8000と7.1.4システムの組合わせで空間オーディオを再生したらどんな楽しさが得られるのか、山之内正さんに体験していただいた。(StereoSound ONLINE編集部)

ミュージックストリーマー:Zidoo「UHD8000」 ¥330,000(税込)

●搭載OS:Android 11 ●CPU:Amlogic S928X-K ARM Cortex-A76+Cortex-A55(Penta-core) ●GPU:ARM Mali-G57 MC2 ●対応ハイレゾフォーマット(2ch):最大 DSD512、PCM 768KHz/32ビット ●接続端子:LAN(10/100/1000Mbps)、HDMI出力2系統(メイン、オーディオ専用)、USB Type-A✕2、USB Type-B、デジタル音声出力(同軸、光)、アナログ音声出力(RCA、XLR) ※WiFi機能及びBluetooth機能はつかえません ●ストレージ:8GバイトDDR4+64GバイトeMMC

●寸法/質量:W430✕H80✕D312mm/5.9kg

デジタル、アナログなど様々な出力端子を搭載している。ただしこれらの端子は排他式なので、お使いのシステムに応じてアプリからどの端子を使うかを選択すること。空間オーディオの音源を聴きたい場合は、HDMIセパレート出力のどちらかを指定する

UHD8000は最新ファームウェアでRoon Readyにも対応済み。「ZidooControl」アプリの「音楽サービス」一覧の中から「Roon Ready」にチェックを入れておけば操作可能になる。再生できるのは2ch音源で、空間オーディオのドルビーアトモス音源には非対応とのことです

ロスレス・ハイレゾ音源を好きなだけ聴けることがストリーミングサービス最大の長所だが、もうひとつ、「空間オーディオ」の音源が豊富に揃っていることにも注目したい。こちらはイヤホンやヘッドホンのリスナーが主なターゲットなのだが、自宅でドルビーアトモスが聴けるAVファンなら、スピーカーで鳴らす3Dオーディオの面白さや可能性を体験しない手はない。

本格派システムで空間オーディオを再生するうえで唯一の課題は再生機器が限られることだ。市販のストリーマーの多くはドルビーアトモスの出力に対応しておらず、MacとAVアンプの組合せもOSの制約があり、ハードルが高い。もっとも手軽なのはApple TVとAVアンプをHDMIでつなぐ方法だが、操作時にテレビとの接続が不可欠なので音楽ファンにはお薦めしにくい。

UHD8000のフロントパネル裏には2基のスロットが準備されており、ここに外付けHDDを装着可能。それぞれ16Tバイトまで対応しているので、お気に入りの音源ファイルも充分保存できるはずだ

そんな状況に風穴を開けてくれそうな多機能ミュージックストリーマーがジドゥ(Zidoo)から登場した。ジドゥは中国のZidoo TechnologyCo.,Ltdが展開するホームAVブランドで、先行して日本に導入されたエバーソロとは姉妹ブランドの関係にある。

「UHD8000」は同社が手がけるAndroid OSベースのストリーマーで、Qobuz、アマゾンミュージック、TIDALなど主要なストリーミングサービスのほか、アプリをインストールすることでアップルミュージックやアップルミュージック・クラシカルの再生ができることがエバーソロと共通する長所だ。さらに、アップルミュージックの空間オーディオ音源(ドルビーアトモス)をHDMI経由でAVアンプに出力できることが重要なアドバンテージで、本機を選ぶ理由はそこにある。

なお空間オーディオ音源の再生はアップルミュージックとTIDALに対応し、現状ではアマゾンミュージックには対応していない。また、日本向けの製品はWi-FiとBluetoothが利用できない状態で出荷される点にも注意が必要だ。

専用リモコンも付属する。UHD8000で動画再生などを行う場合に使うと便利とか

ストリーマーに加えて充実した機能を内蔵する点はエバーソロの製品と同様だ。最大16TバイトのHDDを格納できるベイを2基そなえ、最大32TバイトのストレージにCDリッピングの音源や映像ファイルを保存できるなど、拡張性も高い。DACはESSのES9069Qを採用しており、USBメモリー再生時やUSB DACとして利用した場合、最大でDSD 22.4MHz、PCM 768kHz/32ビットまで再生できる。

フルサイズのボディは堅固で高級感があり、デジタルとアナログを独立させた2電源構成、アナログRCAに加えてXLR出力も積むなど、音質と装備へのこだわりも目を引く。ディスプレイの表示内容はシンプルだが音楽プレーヤーとしては必要十分な機能をそなえ、文字も読みやすい。選曲や機能の選択は操作アプリで行うスタイルで、特にローカル音源の再生時はレスポンスが良く、待たされることがない。日本語表示には未対応だが、タブレットでの操作はわかりやすく、豊富な機能をスムーズに使いこなすことができた。

ドルビーアトモス音源を再生するためには、アップルミュージックの設定画面で「Spatial Audio」を「オン」に切り替えるだけでなく、UHD8000の本体設定メニューでも「Apple Music」の「ATMOS audio output」を「オン」にする必要がある。また、ステレオ再生時はアナログ出力、ドルビーアトモス再生時はHDMIという具合に2系統の出力を使い分けたい場合、本機の出力端子が排他仕様になっているため、メニューから出力切り替えの項目を呼び出さなければならない。頻繁に切り替える場合、この操作はかなり面倒なので、できればアップデートなどで同時出力への対応を期待したい。

UHD8000でApple Musicの空間オーディオを再生する方法(1)

UHD8000では現在Apple MusicとTIDALで配信されている空間オーディオのドルビーアトモス信号の出力が可能だ。ただし、Apple Musicで空間オーディオを再生するにはいくつか設定を変更しておく必要がある。以下でその手順を紹介しておくので、UHD8000で空間オーディオを楽しもうという方は参考にしていただきたい。(StereoSoundONLINE編集部)

1)スマホやタブレットに専用アプリ「ZidooControl」をインストールし、本体と同じネットワーク環境で起動する。写真は「ZidooControl」左横のメニューバーで「同画面」を選んだ状態

2)メニューから、下段右端にある歯車マークを選び、「Audio」のタブから出力端子を設定する。ドルビーアトモス信号を再生するにはふたつのHDMI端子のどちらかを指定すること

3)「Audio」タブの状態のまま左下にある「Apple Music」を選ぶと、ドルビーアトモスの信号を出力するかどうかがの確認が表示される。ここは必ず「オン」にしておく

4)「同画面」メニュー左から3番目の音符マークを選ぶと、再生可能なストリーミングアプリ一覧が表示される。Apple Musicは写真2段目と3段目にふたつ表示されているが、空間オーディオを再生できるのは3段目のアプリ(Apple Musicと書かれている)なので、こちらを起動する

本機のHDMI端子は映像信号の出力に対応しているので、テレビやプロジェクターにつなげば操作画面を大画面で表示できる。また、アップルミュージックにアップされているビデオクリップなどの動画もスムーズに再生できるので、音楽だけでなく映像コンテンツを楽しむ用途にも活用できる。

ホームメニューのアプリ一覧からアップルミュージックを起動し、空間オーディオのプレイリストを再生する。デノン「AVC-A1H」の本体ディスプレイに「Dolby Atmos」の表示が現れ、7.1.4環境で正常に再生がスタート。HDMI経由で3Dオーディオ再生ができる点はApple TVと同様だが、タブレットで選曲できるので、UHD8000の方が使い勝手は良い。

空間オーディオの音源はリスナー側が追い付けないほどのペースで増え続け、特にポップスやロックの音源は勢いが加速している。ドルビーアトモスでの配信がスタートした当初は音像の移動を多用した曲が目立っていた記憶があるが、いまはそれよりもヴォーカルとコーラスの関係を立体的に表現したり、空間の広がりや奥行きを再現するなど、より自然な効果を狙った作品が増えている。空間オーディオの効果についてアーティストや制作チームの理解が進み、ミキシングのノウハウが蓄積されてきたのかもしれない。

試聴時の操作は、専用アプリの「ZidooControl」をインストールしたiPad miniから行っている

洋楽ポップスではマイリー・サイラス「パーティ・イン・ザ・USA」やデュア・リパの「イリュージョン」などがその代表的な例だ。前者は斜め前にコーラスを配置して広がりとステージの遠近感を演出し、後者は自然なアンビエンスが部屋を満たす効果が著しい。エド・シーラン「Boat」のように、ステレオ以上にヴォーカルの自然な距離感を追求する例もある。UHD8000で聴くと、これらの音源を空間オーディオで聴くメリットを鮮やかに描き出す。

クラシックはドイツグラモフォンなどユニバーサルミュージックの音源が充実し、デュダメルの「くるみ割り人形」やジョン・ウィリアムズのベルリン・ライヴなどの人気作品が並ぶ。ステレオ音源とは異なるミキシングでホールトーンの3次元の広がりやステージの立体感を引き出し、コンサートで聴いている体験に近い空気感を味わうことができた。クラシックでは特別な意図がない限り、実際のステージとは異なる位置に楽器を定位させることはないが、録音によって音場の広がりや間接音を取り込む割合には違いがあり、UHD8000ではその微妙な差を聴き取ることができる。

UHD8000でApple Musicの空間オーディオを再生する方法(2)

5)Apple Musicアプリを起動したところ。ここでアプリ画面(白いエリア)の右上にある3つの点を押して、「Setting」を呼び出す

6)「Setting」→「Audio」の項目にある「Spatial Audio」が最初はオフになっているので、ここをオンに変更

7)同じく「Audio Quality」のサブメニューから「Lossless Audio」をオンに

8)「Audio Quality」のサブメニューで「Wi-Fi Streaming」を選び、一番下の「Hi-Res Lossless」をオンにしておく

9)「Setting」→「Audio」→「Crossfade」はオフに

Apple Musicのサイトにアップされているビデオクリップ(写真のTop Videos)をダイレクトに映像・音声とも再生できるのもUHD8000のメリットだ。気になるアーティストのサイトをチェックしてみてはいかがだろう

全方向に音を配置して幻想的な空間を構築したピンク・フロイドの「狂気」も聴いてみた。ドルビーアトモス版「マネー」のエフェクトは空中で交錯する音同士の関係が精密で、スムーズにつながる。この曲だけでもUHD8000を試す価値があると思えるほどで、ステレオ再生では味わえない高揚感が押し寄せてきた。

アナログ出力からのステレオ再生でUSBメモリーに保存したハイレゾ音源を聴くと、UHD8000のオーディオ回路の基本性能の高さがよくわかる。ローリング・ストーンズ「ベガーズ・バンケット」はパーカッションの粒立ちがクリアーでヴォーカルの生々しさに息を呑む。DSD 11.2MHz音源で聴くアルベニスの管弦楽曲は、音数が豊富で細部の動きが鮮明に浮かび上がってきた。どちらも相当に古いアナログ録音をハイレゾ化した音源だが、時間の経過を感じさせない鮮度の高さがある。ストリーミングだけでなく、ローカル音源の再生でもメイン機種として活用できる頼もしいプレーヤーである。

主な視聴システム

●ミュージックストリーマー:Zidoo UHD8000

●AVアンプ:デノン AVC-A1H ●スピーカーシステム:

モニターオーディオ PL 300II(フロント)、PLC350II(センター)、PL 200II(サラウンド)、PL150II(サラウンドバック)

イクリプス TD508(トップ)、TD725SWMK2(サブウーファー)

(撮影:嶋津彰夫)

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光城精工は、「2025年始がっぱどあだるキャンペーン」をスタートした。期間中KOJO TECHNOLOGY製品を総額¥55,000(税込)以上購入して、コースいずれかひとつを選択して応募すると抽選で豪華賞品が当たるものだ。外れた方にも¥3,000をキャッシュバックする、はずれくじなしの内容となっている。

1)キャンペーン期間●対象購入期間:2024年12月1日(日)〜2025年1月20日(月)

●エントリー期間:2024年12月25日(水)〜2025年1月31日(金)23:59 まで

2)対象商品

 KOJO TECHNOLOGY全製品(購入金額 総額¥55,000以上、税込、各種製品組み合わせ可)

3)キャンペーンコース

<コースA>スティック型仮想アース:Crystal Ep-Gシリーズのいずれかお好きなもの1 本を抽選で3名に。※希望賞品を指定。

<コースB>BOX型仮想アース:Crystal E-G 1台を抽選で3名に。

<コースC>スティック型仮想アース:Crystal Epシリーズのいずれかお好きなもの1本が抽選で5名に。※希望賞品を指定。

<コースD>BOX型仮想アース:Crystal E 1台が抽選で5名に。

<コースE>Amazonギフトカード(¥10,000)が抽選で5名に。<コースF>Amazonギフトカード(¥5,000)が抽選で10名に。

※上記キャンペーンコースの抽選で外れた方には、Amazonギフトカード(¥3,000)をプレゼント!

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主演・石井杏奈が本田響矢ほか注目の若手俳優たちとともに、等身大の青春ロマンスを繰り広げるドラマ、「私は整形美人」が、2025月1月16日(木)深夜からフジテレビにて放送&FODにて独占見放題配信決定。

整形で顔を変えるほど外見に強いコンプレックスを抱き、整形してもなお、常に人の目を気にしてしまう主人公・美玲を石井杏奈が熱演! 「わたしなんて…」とネガティブモード全開だが、信頼できる人たちとの出会いのなかで次第に“本当に大切なこと”がなにかに気付いていく。

さらに、本田響矢演じる超クールな同級生・慧との関係性にも注目! 容姿への劣等感、承認欲求、恋愛、将来の夢など、若者が抱える等身大の悩みに向き合いながら、幸せになるために奮闘する彼女たちの物語をぜひお楽しみに!

本作はイム・スヒャン&ASTROチャ・ウヌ主演で人気を博した韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」原作の大ヒットwebtoonを日本初ドラマ化したものとなる。

<新しい顔>に生まれ変わったヒロインが初めての恋に右往左往!? 悩みや葛藤を乗り越えて自分なりの幸せを見つけ出す、共感度120%ラブコメディ!

容姿のことでいじめられていた過去と決別すべく、大学進学を機に整形をして美しくなった顔で新生活をスタートさせた片桐美玲(石井杏奈)。しかし、入学早々思わぬ出来事により周囲に整形がバレてしまう。しかも、イケメンだけど超クールな同級生の坂口慧(本田響矢)は同じ中学校出身で、美玲の昔の顔を知っていた…!

整形のことで同級生たちからいわれのない扱いを受ける美玲だったが、なぜかいつも窮地を救ってくれる慧。そんな彼と関わるなかで、美玲は少しずつ自信が持てるようになっていく。慧もまた、美玲のおかげでずっと抱えていた“ある問題”と向き合うように。大学生活を楽しめるようになってきたと思ったのもつかの間、“天然美人”の同級生・榎本穂波が美玲を陥れようと裏で画策!?

さらに、美玲に一目惚れした大学の先輩・向井優が猛アプローチしてきて…!? 過去を乗り越えようと奮闘し、自分らしさや本当の美しさとは何かを理解していく美玲の変化と成長に共感できること間違いなし!

原作は、「LINEマンガ」のオリジナルwebtoon作品『私は整形美人』。日本語を含む全8カ国語で連載された韓国の大人気webtoonで、日本国内では9500万回以上の閲覧数を記録(2024年12月時点)し、現在も多くの人々に読まれている。

そして2018年には、「私のIDはカンナム美人」としてイム・スヒャン&ASTROチャ・ウヌ主演でドラマ化、本場・韓国のみならず世界中の視聴者の心を鷲掴みにした。そんな大人気作品が今回、日本でも実写ドラマ化が決定! 面白くテンポの良いストーリー展開、作り込まれたキャラクター設定など原作の良さはそのままに、演技力に定評があるキャスト陣が韓国版とはまた違った魅力で親和性を高める!

「SKYキャッスル」「女神降臨」「わかっていても the shapes of love」など、韓国ドラマのリメイク作品や韓国ウェブ漫画が原作の作品が次々と生み出され、韓流・K-POPファンを中心に話題を集めている昨今。原作webtoonや韓国ドラマ版のファン、すべての人に楽しんでもらえるよう制作された日本オリジナルの「私は整形美人」に乞うご期待!

石井杏奈、本田響矢、原作・メンギ、監督・脚本 野口照夫からコメントが到着した。

【石井杏奈(片桐美玲 役)コメント】

美玲は家族に愛され、とても明るくて、小さな幸せをしっかりと掴むことができる子です。歩む道が少し険しくて挫けそうになっても自分のペースで進み続けることをやめなかった。美玲の事を毎日考え、演じていると、いつのまにか美玲の強さに自分が救われている事に気づきました。外面も内面も理想を求めて進む日々。人との比較によって生まれるコンプレックス。誰しもが抱くその想い達を温かく受け止め優しくそっと背中を押してくれる作品です。どんな意見にも寄り添ってくださる心の広い野口監督はじめスタッフの皆さんと、クールな見た目とは裏腹に愛嬌満載で真面目な本田響矢くんはじめキャストの皆さんと、たくさんの方々が強く生きる為の小さな糧になるようにと愛を込めて作りました。どうか、届きますように。

【本田響矢(坂口慧 役) コメント】

坂口慧を演じさせていただきました、本田響矢です。この作品は、韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」と同じ原作を元にした日本版ドラマです。大人気原作であり、「私のIDはカンナム美人」は日本でもたくさんの方が観ていた作品であることにプレッシャーはありましたが、素直に坂口慧という役に向き合って作品に挑みました。感情があまり表に出なく、クールで自分の世界がある性格で、しかも恋愛に慣れていなくて不器用なので、冷たく怖いと思われてしまいがちですが、良いやつです(笑)。過去に辛い経験をしていて、それを乗り越えて行く慧は、演じていてとても楽しかったです。撮影期間中は、キャストみんながとても仲が良く、本当の大学生のように素敵な時間を過ごせました。石井杏奈さん演じる美玲の葛藤や生き方には、観た人に共感や、明日一歩踏み出す勇気を与えてくれる、そんな力があると思います。そこはぜひ楽しみにしていただきたいですし、美玲も恋愛経験が無いので、そんな2人のウブな関係はきっと観ている皆様にきゅんとしていただけるんじゃないかなと思います!ぜひ、ご覧ください!

【原作・メンギ コメント】こんにちは、『私は整形美人』の作者のメンギです。この度、日本版ドラマ「私は整形美人」の放送が決まり、非常に嬉しく思っています!子どもの頃から日本のドラマが大好きで、特にそのユニークで個性的な魅力に強く惹かれていました。まさか、自分が描いた作品が日本でドラマ化される日が来るとは思ってもみませんでした。本当に驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。

素晴らしい俳優さんたちとスタッフの皆さんが、原作の魅力を一層引き立ててくださったと確信しています。ドラマ「私は整形美人」の日本での放送を心からお祝いし、応援しています!

【監督・脚本 野口照夫 コメント】キャッチーな響きのタイトルだな。ライトなラブコメかな?そんな軽い印象のまま原作コミックを読み始めた。読んでみると、一人の女性の心の成長ドラマが丁寧に描かれ、大切なメッセージの詰まった心を動かされる物語だった。実写化に伴い原作とは異なる部分も多々ある。それでも、この物語が伝えたいメッセージや熱量は損なわないように真摯に取り組んできたつもりだ。丁寧なスタッフたちの仕事、そして、石井杏奈さん、本田響矢さんを中心としたキャスト陣の本当に素晴らしい演技を一人でも多くの人に届けたい。見届けていただければきっと温かな気持ちに包まれる作品。

ぜひ多くの皆さまにご覧いただきたい。

ドラマ「私は整形美人」

【STORY】

幼い頃から容姿のことで酷いいじめを受けてきた片桐美玲は、大学進学を機に整形手術をして美しい顔を手に入れる。新入生が集まる入学前オリエンテーション日、同級生たちから容姿を褒められ、さらに男子から好意を寄せられた美玲。戸惑いつつも内心舞い上がっていた美玲だったが、喜びも束の間、ある出来事がきっかけで整形であることが皆にバレてしまう! しかも、自分の昔の顔を知る中学時代のイケメン同級生・坂口慧と再会してしまい…!?

【STAFF】原作:『私は整形美人』メンギ(「LINEマンガ」連載)監督・脚本:野口照夫「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」「演じ屋」音楽:西村大介/DUNK制作プロダクション:ダブル・フィールド制作協力:主力会製作:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

(C)メンギ・LINE Digital Frontier/NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

【CAST】

石井杏奈 本田響矢

「私は整形美人」(全10話×各30分)2025年1月16日(木)深夜より

フジテレビで放送開始&FODにて独占見放題配信開始

■フジテレビにて毎週木曜日2話ずつ放送 25時25分~■FODにて毎週木曜日2話ずつ独占見放題配信■放送終了後、TVerにて1週間見逃し配信

※放送・配信の時間は予定のため、予告なく変更する場合があります。

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ヤン・ズー×ジャン・ワンイー×ドン・ウェイ×タン・ジェンツー×ワン・ホンイー、豪華キャストで贈る「長相思」が2025年1月8日(水)よりUNEXTにて独占先行配信開始! さらに、同日よりDVD-SET 1&レンタルDVD Vol.1~8リリースとなる。

「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」原作者トン・ホワの人気小説を自身が脚本を手掛けドラマ化した本作は、2023年夏にシーズン1が配信されて社会現象ともいえる大ヒットを記録。2024年夏のシーズン2配信直前には視聴予約数が900万を突破、各種ランキングの上位を独占するなどさらなる盛り上がりの中、全62話の超大作が完結。前半では過酷な運命により男として生きることになった異色のヒロインを生き生きと演じ、後半では本来の姿を取り戻した姫君の凛とした美しさも披露したのは、アジアのトップスターのヤン・ズー。唯一無二のヒロインを熱演し多くの共感を得た。そんなヤン・ズーの相手役を務めたのは、タイプの異なる殿方役で話題を集めた4人のイケメン俳優たち。

「風起花抄(ふうきかしょう)~宮廷に咲く琉璃色の恋~」のジャン・ワンイー、「千紫万華(せんしばんか)~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~」のドン・ウェイ、「猟罪図鑑~見えない肖像画~」で主演を務めたタン・ジェンツー、「黒豊(こくほう)と白夕(はくせき)~天下を守る恋人たち~」の注目新人ワン・ホンイー。それぞれの立場でヒロインを愛する姿は、まさに“「長相思」版F4”! 絶妙な配役によって4者4様の魅力を繰り出し、視聴者による“推し選び”が過熱! SNSのフォロワー数が激増するなどスター俳優の仲間入りを果たした彼らから目が離せない!

また、OSTにはヤン・ズーとタン・ジェンツーも参加してソロ曲を歌ったほか、エンディング曲を2人がカバーしたバージョンも注目され、ドラマを大いに盛り上げる! 王姫の身分を捨て、男性としての人生を歩むひとりの女性と、命をかけて彼女を愛する4人の男たち……。

総再生回数40億回超え! 2023年度時代劇ドラマ再生数1位!(※) 壮大な愛の叙事詩をドラマティックに描き出す、ロマンス・ファンタジー超大作に酔いしれよう!(※)雲合数據(ENLIGHTENT)調べ(シーズン1 のみの成績)

配信開始とDVDリリースを記念して、ヒロイン役のヤン・ズーより日本のファンへ動画メッセージが到着!

「日本の皆さん、こんにちは。ヤン・ズーです」と白いキャップにトレーナーというカジュアルなスタイルで挨拶をするヤン・ズー。「『長相思』では天下をさすらう小夭と清水(せいすい)鎮に隠れ住む玟小六(びんしょうりく)を演じました」と訳ありの男性医師と本来の身分である王姫の 役を演じたことを説明。さらに「どんな結末が小夭を待つのか『長相思』を最後まで見てくださいね」と、笑顔で日本のファンに向けてアピールした。

– YouTube

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さらに、豪華なSET 1&SET 2パッケージ展開写真公開!

ヤン・ズーはじめ、ジャン・ワンイー、ドン・ウェイ、タン・ジェンツー、ワン・ホンイーのビジュアルが施されたパッケージやピクチャー・ディスクなど眼福を味わうことができる華やかさが際立つ。

SET1のインナーパッケージではヤン・ズーに迫るジャン・ワンイーや、SET2ではタン・ジェンツーの肩に身を預けるヤン・ズーの姿があり、ロマンスの期待感も高まる!さらに、各巻リーフレット(4P)や貴重な特典映像も付いているので、ぜひ手に取って楽しんでもらいたい。

「長相思」

2025年1月8日(水)よりU-NEXTにて独占先行配信開始

・2025年1月8日(水) DVD-SET 1&レンタルDVD Vol.1~8 リリース・2025年2月5日(水) DVD-SET 2&レンタルDVD Vol.9~16 リリース セルDVD:各¥17,600(税込)・セルDVD全4セット・レンタルDVD全31巻(全62話)発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

(C)Tencent Technology (Beijing) Co., Ltd

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2024年のオートサウンドウェブグランプリでブロンズアワードを獲得したドイツ、ブラックスの新シリーズパワーアンプReveration RX2 PRO。同ブランド初となる本格クラスDのモデルだ。シャーシデザインは、BRAX DSPと同じとしている。ここでは選考会で各賞を確定した直後の座談会を紹介する。[編集部]

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー

[石田功、鈴木裕、長谷川圭、藤原陽祐、黛健司、脇森宏]

(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

Auto Sound Web(以下ASW)ブラックスのレベレーションRX2 PROがブロンズアワードを獲得しました。同ブランド初のデジタルパワーアンプになります。ステレオ機で、チャンネルあたりの出力は300W(4Ω)です。では藤原先生からお願いいたします。

藤原陽祐(以下、藤原):デジタルアンプは最近とても良くなっていて、昔のような音にざらつきがあるような癖のある響きと無縁の、アナログアンプと遜色ない音質へと進化しているんですけれど、このRX2 PROは本当に質のいいアナログアンプ的な……きめ細かい繊細な音がして、空間も広くてその中でフォーカスも鋭くて、立ち上がりの鋭さと立ち下がりのスムーズさ、アンプとしての過渡応答の良さといったものが感じられます。

藤原陽祐氏

今風の、質の高い音です。ドイツのオーディオテックフォッシャー社では、世代交代もしていて、開発担当者が2代目社長という話を聞きました。作り手が変わると音もだいぶ違うなと感じますね。ブラックスの力強さ、強引さといったようなところが“らしさ”として聴かれていたものだけれど、圧倒的な駆動力のようなものは鳴りを潜めています。

鈴木 裕(以下、鈴木):確かにそういう傾向でした、ただ、その強引さはもう少し残っていても良かったとも感じます。

藤原:とはいえ、いい部分も多くて、スピーカーを上手く鳴らしてあげるというか、あまりアンプとしては出しゃばらないで上手い感じの音を出すような、そんなニュアンスの良音。成熟したサウンドとでも言えそうな音、どうやら2代目社長は先代よりそういう志向で落ち着いた音を好むのかもしれないですね。優しくてジェントルでね。色彩が感じられるような音が聴けて楽しかった。

長谷川 圭(以下、長谷川):これまで同社では創業者のハインツ・フィッシャー氏が、アナログアンプの開発をしていて、息子で2代目社長に就任したジュリアン・フィッシャー氏DSPやD/Aコンバーターなど、デジタル分野の開発を担当していました。

ブラックスはこれまでデジタル製品というとDSPだけで、ほとんどの製品開発にハインツ氏が関わっていたのですが、輸入元のエムズライン社長の塩井氏にうかがいましたけれど、RX2 PROの開発に当たってはハインツ氏は手出しせず、ジュリアン氏とデジタル機器の開発メンバーが作り上げたそうです。ハインツ氏は完成した本機を聴いて、出来の良さに頬が緩んだとか。

石田 功(以下、石田):ジュリアン氏、社長になっていたんでしたね。立派になって……。

黛 健司(以下、黛):ハインツ氏時代のブラックスは「重厚な響き」が特徴だったと感じています。それに対してジュリアン氏が開発の陣頭指揮をとるようになったデジタルアンプは、爽やかさの描写が得意になったように思う。

黛健司氏

もちろん、ブラックスならではの表現力を備えていますから、音楽の濃やかなニュアンスの表出には、ハッとさせられる瞬間があります。ヴォーカルの艶やかで潤いの感じられる音、ベースの響きもなんとも魅力的です。ただ、ハインツ時代の通好みの濃密な音と比べると、やや、薄味になったと言うか、誰にでもわかる、普遍的な音になったように感じてしまう。時代の変化、世代交代の結果と、受け入れてはいるのですが、ちょっと寂しくもあります。

鈴木:僕がすごくいいなと思ったのは、これは僕の言葉なんですけれど時間軸方向の分解能という、すごく細かい音の立ち上がりと立ち下がりがよく聴こえて、こうした細やかさがよく表現できるところが高く評価できると感じました。

鈴木裕氏

そもそもデジタルアンプというのはDSPなどと組み合わせた時にハイレスポンスで信号の伝送と増幅ができなければならなくて、本機ではそういったところも上手く仕上がっている音に感じられました。個人的にはブラックス特有の低音の力強さを期待していたところもあったので、少し残念にも思いましたけれど、これはこれで気持ちよく聴ける音でした。

ASWeb:ありがとうございます。脇森先生はいかがでしたか?

脇森宏氏

脇森 宏(以下、脇森):はい。このRX2 PROは、デジタルアンプというよりもはやアナログアンプなのではなかろうかと思いながら聴きました(笑)。作り手が変わったという情報を聞いて、『なるほど人が変わるとブラックスもこうなるのか』と思いました。以前の力強さを前面に出すのも良かったんだけれど、新世代になって、こういう音の方向性を目指すことができる心の広いメーカーなのだなという感じはしました。

鈴木:とにかく技術力が高いですね。ジュリアン社長の優秀さがよくわかります。

ASWeb:確かに、ヘリックスやマッチといった同社のブランドで展開しているDSPはジュリアン氏とそのチームで開発してきたものですし、歴代デジタル製品は高い評価を受けていて実績がありますね。石田先生の評価はいかがだったでしょうか。

石田:ブラックスだから力強い低音、これを期待していたんですが、そう思って聴き始めたんですけれど、聴こえてきた音はまとまりよくて、大人びてというか落ち着いていて『こうなったのか』と意外な感じがしました。ただ、デジタル臭さはまったくなくて、むしろアナログっぽい音です。

鈴木:同意見です。

石田功氏

石田:すごい落ち着いた音で、これはこれでアリだと思いました。やはりジュリアン社長の性格が、こういう音を作らせたんでしょうね。

長谷川:私もブラックスのアンプなので……ブラックスのアンプって、スピーカーに対して支配力が強いというか、どんなスピーカーを持ってきてもブラックストーンというか、ブラックス色に染められた音で聴けるんですね。またそれがクルマで音楽を楽しむという方向にがっつりハマっていた感がありました。でもRX2 PROを聴くと、支配的な鳴り方をしない。印象としてはとてもジェントルな音ということになっていました。筐体サイズも、マトリックスシリーズなどに比べてだいぶコンパクトですし、BRAX DSPと同サイズにまとめているそうです。DSPと並べて使うことを想定して作ったんですね。オプションで用意されるデジタル入力が載ったところに、DSPを合わせて使って……シナリオはできていそうです。

石田:そこが楽しみですね。今年は前哨戦で、来年本気で鳴るつもりかもしれません。直でデジタル入力ですから、そこで再生される音たるや……。凄そうです。過去にマトリックスアンプで聴きましたけれど、とんでもない音世界でしたからね。

ASWeb:来年の話まで出てしまいましたが、どんな音で聴くことができるのか、今から楽しみになってきましたね。RX2 PROは2ch機ですので、DSPを使ったマルチアンプドライブシステムなどを作ろうとするとアンプが複数台、クルマに乗りことになりますね、システム総額がどう鳴るのか、ワクワクが止まらないですね。

M’s Line homepage

www.ms-line.co.jp

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ステレオサウンドストア

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2024年のオートサウンドウェブグランプリでシルバーアワードを獲得したフランス、ブラムの最上級スピーカー「シグネチャー・マルチックス・バレル」。3ウェイスピーカーのミッドレンジとウーファーはシリーズ名にもなったマルチマグネットのユニットを採用。そこに組み合わされるトゥイーターも、シルクソフトドーム、マグネシウムハードドーム、エアモーショントランスフォームの3種を揃え、好みに応じたシステム構築を可能にしている。メイドインフランスというこだわりも見せる高級スピーカーだ。ここでは選考会で各賞を確定した直後の座談会を紹介する。[編集部]

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー

[石田功、鈴木裕、長谷川圭、藤原陽祐、黛健司、脇森宏]

(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

Auto Sound Web(以下ASW):グランプリ、シルバーアワードを獲得いたしましたブラムのシグネチャー・マルチックス・バレルシリーズのスピーカーについてお話をうかがっていきます。本機は、フランスはブラムの最上級シリーズスピーカーとしてデビューしたモデルで、3種類のトゥイーター、2種類のミッドレンジ(フルレンジ)、2種類のミッドベース(ウーファー)といったシリーズラインナップから、フェイズプラグタイムの165mmユニットと80mmユニットをウーファーとミッドレンジとして使い、28mmソフトドームトゥイーター、28mmマグネシウムハードドームトゥイーター、エアーモーショントランスフォーマートゥイーターの3種類をそれぞれ組み合わせて3ウェイスピーカーとして聴きました。どの組み合わせも魅力的ということで、シリーズ製品全体の評価として採点していただいています。みなさんどの組み合わせが良かったなど含めてお話しいただければと思います。それでは鈴木先生からお話しいただけますか。

鈴木裕氏

鈴木 裕(以下、鈴木):AMTの音が印象的でした。コンプレッションドライバーとホーンを組み合わせたような良さもありました。また、ネットワークの仕様についても各ユニットに合わせた調整ができるようで、とてもいい印象でした。あと、マグネシウムのトゥイーターもよかったですね。マグネシウムは、さすがに現代的な素材で繊細さをうまく表現していました。ソフトドームのトゥイーターは聴きなれた音という印象でした。3つともそれぞれに魅力的で、どれを選ぶか悩ましかったです。

ASW:ありがとうございます。続いて、脇森先生はいかがでしたでしょう。

脇森 宏(以下、脇森):個人的な好みはマグネシウムでした。ソフトドームもよくまとまっていていいんですが、令和の時代からすると昭和の香りがする音。

ASW:懐かしい感じですね。

脇森:懐かしい音、それはそれでいいんですが、マグネシウムの方が切れが良くて、厚みがあって気持ちよく聴けました。3ウェイなので、結構調整は大変かもしれませんね。

脇森宏氏

ASW:石田先生はどう聴かれましたか?

石田 功(以下、石田):はい。僕もマグネシウムが一番好きでした。これは好みでいいのでしょうけれど、マグネシウムが一番声がはっきりしていて良かったです。アタック音もとてもインパクトがあって良かったと思います。ほかのトゥイーターだと少しおとなしく感じました。

ASW:藤原先生はいかがでしたか?

藤原陽祐(以下、藤原):僕もどのトゥイーターかと聞かれたらマグネシウムが良かったという答えになります。全体のバランスからすると、とてもキリッとした、ホーン的な鳴りの良さを感じました。とても気持ちのいい音がするんだけれど、音源によっては独特の響きを感じることがあって、トゥイーターが主張している感はあるんですがマグネシウムが価格の点でも選びやすいと思いました。

藤原陽祐氏

ソフトドームは耳当たりがいい聴きやすくて繊細で天井の高い音、フォーカスもいい。ただ、パワーを入れていくと少し息切れするような、ちょっとつらそうな鳴り方になる。その点、一番高額になるAMTはボリュウムを上げて鳴らすと鳴りっぷりは一番立派でした。

今回ブラムの製品は、同じフランスのフォーカルのにおいがありましたけれど、このシグネチャー・マルチックス・バレルになって一皮剥けたような、開放的な響き、ニュートラルな音に変化してきた感じがします。

黛 健司(以下、黛):みなさん、マグネシウムトゥイーターの評価が高いようですが、私はAMTトゥイーターがいちばんよかった。価格順にソフトドーム~マグネシウム~AMTと聴いていきましたが、トゥイーターを替えるごとに、どんどん音がよくなっていく。ソフトドームトゥイーターの3ウェイでも充分満足できる、とてもいい音なのですが、マグネシウムトゥイーターにすると、声の艶やかさがいっそう引き立つ印象で、弦の響きがしなやかなことにも好感をもちました。今井美樹の声が蠱惑的で、なんとも色っぽい、抜群の音で楽しませてくれました。トランペットの音像がクッキリと引き締まって、響きも美しい魅力的なサウンドを堪能できたことも印象に残っています。

黛健司氏

高音が変わると、低音も変わることはよく経験しますが、トゥイーターをAMT1にすると、高域のクォリティが向上するだけでなく、低域も充実して、ベースの音がとてもしっかりしたのも印象的でした。私が重視する音場空間の再現能力……拡がりや深さの再現……も、AMTトゥイーターが際立っていた。

ASW:長谷川先生はどうでしたか?

長谷川 圭(以下、長谷川):私はマグネシウムかAMTです。ソフトドームは、脇森さんもおっしゃってましたが懐かしい感じで、聴きやすいんですけれど、ちょっと刺激が足らない感じだったんです。その点マグネシウムもAMTも現代的で聴いていて面白かったんです。聴こえ方の面白さでいうと、AMTが最も上で、特に聴こえ方の点で、音像が目前に迫るようなイメージで聴かせてくるところが印象的でした。左右スピーカーの中央にヴォーカルがいるんですが、ほかのトゥイーターよりも一歩こちらに近寄って歌っているように感じました。この聴こえ方はクルマに組み込んだ時に面白い効果を生むんじゃなかろうかと感じました。

長谷川圭氏

あと、今回の聴き方として、ミッドレンジの高音域はカットせずに鳴らしていました。つまり、ミッドレンジの高音とトゥイーターの高音は重なって再生されていました。聴いていて違和感なくというか、とてもスムースに聴けた印象なんです。つまりこのミッドレンジの出来が相当いいのだろうなとも思いました。

石田:ひずみのないユニットですよね。もともとフルレンジを謳うユニットですし、相当に優秀でしょう。

長谷川:ブラムって中低音が少しふくよかな印象がありますが、それがこのモデルでは鳴りを潜めている。バランス良くなっています。そこが藤原さんのおっしゃられたフォーカルっぽさが抜けたと同じなのかもしれないですね。もしかするとギー社長が鳴らしたかったフレンチサウンドというのはここにきて高度に完成へと迫ってきたのかななどとも考えていました。

石田:でもブラムの社長、ギー・ボネビル氏は低音好きですからね、これにサブウーファーまで足して完成かもしれません。

ASW:先ほど脇森先生は3ウェイで音をまとめようとするとなかなか大変そうとおっしゃられてましたが、3つもユニットがあるとインストールも大変でしょうね。

脇森:2ウェイにしたときのつながりがどうなのか、今回そこまでは確認しきれていないのだけれど、うまく鳴ってくれそうではありますね。それならば新しいマルチックス2ウェイでもかなり楽しめそうです。

石田:たぶん近接配置するよりも、車室内で上手くばらしてあげた方がつながりはいいように感じます。

ASW:マグネシウム推しが多いご意見でしたが、どのトゥイーターもそれぞれ良さがあるということでしたね。実際に輸入元が販売店でデモンストレーションするエンクロージュアを使って皆さんにも音の確認をしていただいていますので、店頭でお聴きになられた方は共通の印象を持たれているかもしれませんね。まだお聴きになっていない方は、トライムのフェイスブックなどでデモ先店舗情報をチェックされるといいかもしれません。

Trusted Importer

www.truim.jp

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1988年に登場したソニーの「MDR-R10」は、オーディオを本格的に楽しむことを目的に開発されたモデルで、製造が終了して20年が過ぎた現在でも人気が高い(既に修理対応は終了。中古品の場合は製品の状態が不明のため、本来のパフォーマンスが体験できるかは保証できません)。この製品の開発にあっては、ヘッドホンとしての音のよさはもちろん、装着した際の心地よさも重視し、実に細かい配慮が施されている。中編となる今回は、MDR-R10に盛り込まれた素材や技術、さらにはそれらを採用した “想い” について解説いただく。(StereoSound ONLINE編集部)

ヘッドホン:ソニー MDR-R10 ¥360,000(生産終了。発売当時の価格)

●使用ユニット:50mmドーム型バイオセルロース振動板●インピーダンス:40Ω●音圧感度:100dB/mW(1kHz)●定格入力:300mW●再生周波数:20Hz〜20kHz●質量:400g(コード含まず)

§7 フラッグシップモデルの開発 その2

「10倍の値段で売れる商品を作る」ということで始まったMDR-R10(以下『R10』と略記)の開発ですが、楽器のように木質筐体の響きを活かすことで活路を見出し、さらには機種全体で天然素材の音や機能性、質感のよさを追求する活動に入っていきます。今回は、その中でのいくつかの部品について、その開発経緯や技術とそこに託した思いなどをご紹介させていただきます。

1)バイオセルロースの振動板

当時、ヘッドホン用のドライバー振動板の材料としてはPETなどの高分子フィルムを使うことが一般化していました。しかし、スピーカーのコーンとしては、最高級機種でも紙素材によるものが多く存在していました。ヘッドホンもかつては、紙コーンを流用した小型のダイナミック形ドライバーを搭載した製品が多く存在していました。しかし1980年代以降のヘッドホンでは、より高感度で広帯域の再生を求めて振動板の軽量化、薄膜化が進んでおり、6〜40μm前後の厚さが一般的になってきている中で、100μmほどの太さを持つパルプ繊維を用いた紙コーンは使いにくい状況になっていたのです。

そんな中で、ソニー社内の材料開発部門から新しい材料の紹介があったのですが、それが「バイオセルロース」でした。バイオセルロースとは、アセトバクターというバクテリアが糖から産生する純粋なセルロースの繊維材料です。これはそもそも、味の素株式会社が食品用に開発したものが当時の通産省工業技術院(現経産省産総研)に持ち込まれ、用途開発の可能性検討に上がっていたもので、その応用可能性の打診がソニーにあった、という経緯になります。

セルロースはまさに紙の主成分であり、新機種の目指す音の方向性に合致する期待が持てるとともに、このセルロース繊維は300Å(0.03μm)という極細繊維でしたので、最新のヘッドホン振動板としても充分に使える可能性が高い素材と思えたのです。こうした経緯で3者共同の振動板開発が始まりました。

アセトバクターとバイオセルロース繊維

この新材料を使いこなすには、音質的に最適な仕様の検討もさることながら、量産の製法や耐久性の向上のための多くの試行錯誤もあり、最終的には次のような製法でヘッドホンの振動板を実現することができました。 まず、ビーカーに入れた加糖水にアセトバクターの株を浮かべると、空気との界面に巣を張るようにセルロース繊維を産生してゆき、その厚みが4mm程度にまで育ったところでゲルを取り出します。このゲルを、上下の型で加圧脱水しつつ加熱することで、20μmの厚みの振動板が完成するのです。

バイオセルロースのゲル

バイオセルロースを使った振動板

こうして実現した、ピュアセルロースによるヘッドホン振動板。試聴結果は従来の高分子フィルム振動板の高感度・高音質を満たしつつ、紙の音の素性と共通する音色を感じられて大変良好なものとなりました。

更に振動板としての物性にも注目してみると、バイオセルロースは驚くべきデータが得られましたので、以下でそれを紹介します。

振動板の素材というものは、一般的な物性としては軽くて硬く、固有音が少ないものが望ましいとされています。軽くて硬いと、駆動コイルの位置から周辺に伝わる波の速度が速いことになり、振動板全体が一体となって振動することで高音まで広帯域に再生できる、重要な要素なのです。また、特定の周波数に材料固有音としての共振が強く出ると、楽音信号として入力した音にその材料の音質が加味されてしまって音質を損なうことがあり、材料としての制振制のパラメーターも重要になってきます。

そのような振動板材料の素性データは、音速の2乗に相当する「比弾性率」と、制振性に関する「内部損失」という、素材の二つのパラメーターのグラフで振動板の素材の物性を評価することができます。このグラフの見方としては、二つのパラメーターがより高いレベルで両立している方が望ましいので、右上の方向に進化軸があることになります。

例えば、金属材料は比弾性率が高いものの内部損失が低いので、高音の再生に向きますが金属の固有音が付帯しやすい傾向にあります。柔らかい樹脂であるポリプロピレンは内部損失が高いものの比弾性率は低いので、高音域までカバーする振動板には不向きです。そんな中で紙やPETは二つのパラメーターをバランスよく有していて振動板としては優等生なのですが、さらにバイオセルロースは金属並みの比弾性率を持ちながら高い内部損失も実現するという優れた特徴があることが分かりました。

こうして、R10で目指す音質再現に向けて筐体材料と振動板材料の開発を大きく進めることができたのです。

2)ラムスキンのイヤーパッド

ヘッドホンの音質はもちろん重要ですが、私は装着性も音質と同等に重要な要素だと思っています。ヘッドホンは人が装着する唯一のオーディオ機器なので、洋服の着心地や靴の履き心地と同じで、フィット感が悪いと身に着けたくなくなりますし、音楽を楽しむ気持ちにはなれないとさえ感じます。そこで、次に取り組んだのはイヤーパッドの開発でした。

R10では、木質筐体の響きを最大限に引き出す目的で120mmというヘッドホンとしては最大径の筐体を目指しましたが、これは装着可能なイヤーパッドの最大径としてこのサイズが限界だったからです。120mmの大きな外形で頭部への接触面積を最大化し、接触部分の圧力を分散させることで快適な装着性の追求を行いました。

まず検討したのは、クッション素材の柔軟性でした。一般的に、ヘッドホンのクッション材に使うウレタンフォームは硬度でいうと100N(ニュートン)という硬さで現わされるのですが、当時入手可能な中でもっとも柔軟な硬度4Nのフォームを上層に、硬度14Nのフォームを下層にと、2枚を異形状で重ねて、限界までの柔軟性を持たせつつ、頭部の立体形状に沿う曲面のベースを作りました。形状的には、内径は耳介の外形に沿った形にしつつ、耳の下後方部に厚みを持たせ、耳介の立ち上がりを圧迫せずに、完骨と呼ばれる頭部のくぼみにフィットするように工夫しました。

次の問題は皮革の処理でした。一般的にぬいぐるみのような造形物は中のクッションがある程度硬く、その上に皮を引っ張って伸ばすことで立体的な形を作っていきます。しかし、今回のイヤーパッドクッションでは極端に柔軟なクッションを採用したため、皮を伸ばそうとするとクッションがつぶれてしまって厚みや立体形状が出てこないことになります。そこで、皮革のスキン縫製は、皮革を表、裏、内、外の4枚に分け、これらを立体縫製することによってクッションのつぶれを最小化することで柔軟性を出すことにしたのです。

R10のイヤーパッド

R10のイヤーパッドの皮革素材としては、ビニールなどの人工的な質感でなく人肌になじみやすい天然皮革に挑戦することは決めていましたので、最終的に天然皮革の選定に取り組みました。

ひとくちに皮革材料といっても牛革や豚革など色々ありますが、今回のクッションを包む皮革材料としては圧倒的に柔軟性と伸縮性が必要になるのです。そこで、皮革卸商を訪ねてお勧めいただいた中でもっとも柔軟性の高い食用ラムのスキン(子羊の皮)を有効利用することにし、0.5mmという限界の厚みで漉いてもらい、これを縫い合わせる仕様にしました。

この特製の皮は柔軟性がひじょうに優れており、肌触り、手触りがとてもよかったので、イヤーパッドだけでなくヘッドバンドやサスペンダーと呼ばれる柔軟性の必要な機能部品の全てを包むことにしました。このため、ヘッドホン1台製作するのに要する皮の面積はほぼ子羊1頭分に相当していますが、このように贅を尽くした仕様ならではの装着性を実現できたのではないかと思っています。

ラムスキンの使用面積のイメージ

余談ですが、この立体縫製は縫製技術の難易度が高く、イヤーパッドのメーカーでもベテランの職人一人しか作れなかったため、その方が出社できない時には部品の生産が止まることもあったことも思い出されます。

3)シルク編みのコード

 ヘッドホンの入力コードの導体の材質としては、最高の評価を得ていた6N(99.9999%の純度)のLC-OFCを同軸撚りで使用しました。また、プラグの材質にはOFCを使用し、耐摩耗性が高く導電性のいいロジウムメッキの上に、耐腐食性が高く接触抵抗の低い純金メッキを施しました。過去の検討の中で導体材料として最高だったものから、従来機種では採用できなかった構造を実現したのです。

更に検討を進めたのは、ヘッドホンコードとしての手触りと絡みにくく弾力がある被覆構造でした。ここではまず、コードを束にしたり、折り畳んだりしても癖がつかない復元性の良いシリコンゴムの中間被覆を用いました。

その上で、最終の仕上げとしてシルク糸を編み上げることにトライしました。編み紐コードは後に製品化されたファッション系ヘッドホンなどでもブームにもなった製法ですが、R10での試作当初は、社内でも「こたつやアイロンの電源コード」と揶揄されるくらい散々な出来だったのです。しかし、従来のビニールコードから大幅な手触りの向上もありますし、表面の滑り易さによって絡みにくくなるという観点から、シルク編組の被覆のコードが最高という信念をもって試作を進めました。

最終的にシルクの編み目を可能な限り細かくすることで滑らかな表面になり、理想的な手触りのコードが実現できたと思います。表面のスムーズさを出すために、編組の機械として神奈川県の工業試験場にしかなかった30打ち(編み込み機械で糸の持ち手の数が30本)という仕様を採用したのですが、編組の限界仕様を見極めることができました。

シルク編みのコード

4)最先端材料による装着機構

天然素材を多く採用したR10ですが、実は機構部品には当時の最先端素材も多く使用していますので少し紹介します。

ヘッドバンドは、ヘッドホンを保持するだけでなく、側圧を与えるという重要な役目も果たします。この側圧は、ハウジングと耳の間に適度な音響空間を作る上で必要不可欠な圧力です。

一般的なヘッドホンでは、ヘッドバンドにステンレス材を使用しています。しかし、R10では、ひじょうに軽く、かつ充分な側圧が得られるカーボンファイバーコンポジット材を採用しました。比重は、ステンレス7.8に対し、カーボンファイバーは1.62と、より軽量。比弾性率は、ステンレス2.5に対し、カーボンファイバーは9と、より強くしなやかです。さらには、ステンレスより振動減衰性に優れているため、不要な共振を抑え込みます。

カーボンファイバーのヘッドバンド

それまでの多くのヘッドホンでは、装着する場合に位置を手で調整する方式を採用していました。しかしR10では、頭にセットし、ハウジング部を耳の高さにもっていくだけで自動的にハウジングの位置が決まるフリーアジャスト方式の構造を搭載。そのために、サスペンダーの張力を与えるスプリング材としてチタン・ニッケル系の形状記憶合金を採用しました。

これは、形状記憶合金の持つ「超弾性」と呼ばれる特徴を利用したものです。形状記憶合金の変位(タワミ)が、あるレベル(超弾性領域)まで達すると、荷重はそれほど変化しなくなります。しかも、弾性領域を超えると元にもどらなくなるステンレスなどと違い、形状記憶合金は元の形にもどります。つまり、形状記憶合金を採用したヘッドバンドは、誰が装着してもほぼ同じようにジャストフィットし、長期間使用しても伸びきらないということになるのです。

形状記憶合金を使用したヘッドバンドの長さ調整機構(透視図)

形状記憶合金の応力−歪み特性(ステンレスとの比較)

左右のハウジングを支えるハンガーとヘッドバンドの両端を支える構造部品にはマグネシウムを採用しました。マグネシウムは、比重が1.74で、構造用金属としてはもっとも軽く、プラスチック並の軽さを実現でき、しかもしっかりとした強さで全体を支えます。さらには、振動減衰性に優れ内部損失が大きいため、共振を少なくすることができました。マグネシウムのダイキャスト製法による軽量で高剛性を実現する機構は、R10以降も多くのポータブルオーディオ機器で幅広く採用されていくことになります。

※後編に続く

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2024年のオートサウンドウェブグランプリでゴールドアワードを獲得したカロッツェリアのカスタムフィットスピーカー「TS-V174S」。2ウェイを構成するウーファー、トゥイーターとも新設計し、低音強化、臨場感ある中高音など、従来のOPEN & SMOOTH 構想を進化させるべく研究、開発し完成させたという。車両に純正装着されているスピーカーとシンプルな工程で交換できるカスタムフィットというモデルながら、国内生産にこだわった同シリーズ最上のモデルである。ここでは選考会で各賞を確定した直後の座談会を紹介する。[編集部]

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー

[石田功、鈴木裕、長谷川圭、藤原陽祐、黛健司、脇森宏]

(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

Auto Sound Web(以下ASW):ゴールドアワードとなりましたカロッツェリアのカスタムフィットスピーカーTS-V174Sについて、選考メンバーの皆さんの評価をうかがいます。本機は7年ぶりのモデルチェンジを受け、ウーファーもトゥイーターも大幅な変更を遂げました。TS-V174Sの魅力はどのようなものだったでしょうか。まずは先日、本機の開発を行った東北パイオニアを訪れた石田先生からお聞かせください。

石田 功(以下、石田):このスピーカーをはじめに見た時、トゥイーターがバランスドドームになっていてちょっとがっかりしたんです。どこか普通になったなと。でも音を聴いてみると、素晴らしいんです。試聴をした際には前モデルのTS-V173Sとの聴き比べができたんですが、圧倒的に174が良かった。

何がすごいかって、まず低音がしっかりしているのと、前モデルと比べてわかったんですが高音域が圧倒的に綺麗なんです。174と比べると173が荒い音に聴こえて……あくまで比較してなので、単体で評価したら173もよくできたスピーカーなんです……というところが一番評価した点です。とても洗練された音でした。しかも、今までのカロッツェリアのスピーカーと比べて、人間的な音がするんです。

石田功氏

鈴木 裕(以下、鈴木):確かにそうですね。その表現は正しいと思います。

石田:有機的な音というか、そういう部分がとても気に入りました。

ASW:では続いて、鈴木先生お願いいたします。

鈴木:スピーカーというものはカーもホームも関係なく低域のレンジとか量感がとても大事なんですが、このTS-V174Sはその部分がとても良かったですね。広いレンジだし、たっぷりした量感、さらに密度も濃く聴かせます。同時にトゥイーターが出す重たい高音がとても魅力的でした。

個人的にはもう少しクロスポイントを下げて鳴らしてもいいかなとも思えました。パッシブネットワークもよくできていたんですけれど、それを捨ててアクティブに、マルチアンプドライブに挑戦して、尖ったチューニングにしても楽しめそうだと思います。ただ、ドライブするアンプに対して要求する能力は高いですね。いいアンプを向けるほどいい音で鳴る。これはスピーカーの秘めた能力の高さを証明していると思います。

鈴木裕氏

ただ、カスタムフィットスピーカーという性格上、もっと鳴らし易くてもという想いは湧きました。

ASW:なるほど、クルマの純正スピーカーとの交換だけでも存分に鳴る方がいいのではという懸念ですね。

鈴木:そういうことなんですが、AVナビの内蔵アンプでも音の良さは感じられるので、ただの老婆心とも言えます。

ASW:ありがとうございました。続いては藤原先生、お願いいたします。

藤原陽祐(以下、藤原):カスタムフィットスピーカーというカテゴリーで、最上級機種ではあるんですがコスト的な制約はあっただろうと想像するのですが、その中で作り手のセンスの良さを感じました。仕上げの上手さとでも言いますか、磁気回路も振動板もバスケットフレームも全部新規で作っていて、磁気回路にはネオジウムマグネットが搭載されているんですが、ネオジウムマグネットを使うとエンジンが軽くなるので、低音の量感は出すのが難しくなりがちなんですけれど、174Sでは上手く……バスケットの設計なのか振動板との兼ね合いなのか、バランスのとり方がひじょうに上手くて、気持ちのいい低音が出せてますし、それと連動して空間の高さとか自然な定位などがあって、作っている人のまとめ方の上手さを感じました。

藤原陽祐氏

磁気回路まで収めるバスケットフレームは結構特殊だと思うんですけれど、このあたりの設計は音質にかなり効いているように感じました。振動板もコーンの形状に深さをつけて面積を広げていますが、こういう手法をとると低音に癖が出たりしがちなんですね、少し重めになるようなね、このウーファーユニットについてはそういって違和感がない。カーボンと裏に張り合わせた抄紙の兼ね合いがうまいです。

鈴木:コルゲーションエッジなどもうまくバランスしているように感じますね。

藤原:ですよね、とても上手いまとめかたです。

鈴木:よく作ってますね。

藤原:単にコストをかけていい音を出しているんじゃない物造りの上手さみたいなものをとても感じるスピーカーだと思いました。

ASW:藤原先生、ありがとうございました。では次に黛先生お願いいたします。

黛健司氏

黛 健司(以下、黛):石田さんにおたずねしたいのですが、今回スピーカーの開発エンジニアの方とお話しする機会があったのですが、東北パイオニアにおいでになった際にいろいろなお話をされたのではと思います。作り手側の意識として今までのものとだいぶ変わったのだろうなと思うのですが、そのあたり何かお気づきになったことはありましたか?

石田:前モデルのTS-V173Sのトゥイーターのアルミが嫌だったというのは一番感じました。

長谷川 圭(以下、長谷川):173はリングラジエーターで、ダイヤフラム素材はアルミでしたね。カロッツェリアの最高峰トゥイーターTS-T1RS IIはチタン製ですね。

石田:形状……リングかドームかというのは気にしていないようで、アルミが嫌だったというのはとても感じました。それと、低音をもっと出したいという意向は感じました。

長谷川:あと、音全体のまとめる方向性として音楽を楽しく聴けるスピーカーにしたいということも挙げられそうですね。

:なるほど。やはりカロッツェリアのスピーカーとしての共通項はあるものの、今までの音の傾向とはだいぶ違ったアプローチがあったようですね。従来のものにあまり引きずられないで新しいものを作ろうという意識が働いているのでしょうし、それが今回の製品の成果につながっているのでしょう。

とにかく値段を考えるとびっくりするくらいいいスピーカーというのが正直な印象ですね。

ASW:黛先生は、こういう聴こえ方が良かったなどの感想はございますか?

:私の場合、製品試聴には、ジャズやクラシックからJ-POPまでさまざまなジャンルの、編成も小編成から大編成まで、多彩な楽曲を聴くように心がけていますが、どのような曲を聴いても、その曲「本来の音」が十全に再現されることに驚きました。スピーカーとしての能力が高いことの証でしょう。

前作TS-V173Sとの比較は出来ませんでしたが、同時に聴いたリファレンススピーカーのTS-Z900PRSと比較しても遜色ない音で、ちょっとビックリした。価格差を考えると、たいへんな実力機だと思います。

ASW:ありがとうございます。では脇森先生のお話をうかがわせてください。

脇森宏氏

脇森 宏(以下、脇森):まず第一にですね、この時期によくもまあここまで細かいことを一所懸命やってスピーカーを作っていた国産メーカーがあったんだと感心しています。音に関して言うと、先ほどもお話が出ていたように、トゥイーターがひじょうに……“普通になった”という言い方もできるんですけど……今までが尖っていてね、そこが個性的でよかったところもあるんですが、過去から比べると今回の方が音楽になじみやすいトゥイーターを作ってきたなと思います。

低音はというと、いろいろなところが改善されて、雰囲気もあるし、なによりも声がいいスピーカーですね。それとネットワークがハイパスとローパスがセパレートになっているのでバイアンプドライブも試してみてますが、通常の接続方法で聴いてもとてもまとまりよく聴くことができる。このあたり好みかもしれませんが、バイアンプじゃなければということもないことはご報告しておきたいです。

長谷川:Vシリーズは7年ぶりのモデルチェンジだったんですよね。そんなに経っていたかという想いもありますけれど、同社ではTS-Z900PRSが間にありましたしね、そのおかげか新型スピーカーとしてのお久しぶり感が少なかったのかもですね。

脇森:173もとても良かったですけれど、174はもっと良かった。2回り3回りも上回った印象です。

長谷川:石田さんと私と、東北パイオニアの試聴室で173と174の聴き比べをさせてもらいましたけれど、びっくりしましたよね?

石田:そう、びっくりしました。

長谷川:私も石田さんも173の評価は高かったと思うんですが、174と比較したときの173の印象が『このスピーカーの音ってこんなだったっけ???』でした。

石田:7年前に新登場した時にはいいスピーカーだなと思っていたのに、今回改めて聴いたら粗さが感じられました。

長谷川:そうでしたね。とても驚きました。私も173のリングラジエーターにはとても繊細な音を出す印象があったんですが、174と聞き比べてしまうとそうでもなかった。それから、脇森さんもおっしゃいましたが、人の声がとてもよかったですね。

トゥイーターのダイヤフラム形状のほかにも、素材がチタンになったり、温度処理をしたりと、いろいろなことをしたうえで製品の完成に至ってますよね。

長谷川圭氏

石田:温度処理は400度で黄色になると言ってましたね。420度で紫……。

長谷川:その中間でローズピンクになるとか。しかもダイヤフラムの面積が広いので、均一に熱処理するのが結構難しいとも聞きました。

藤原:処理する温度によって硬さなどが変わるんですよね。

長谷川:焼きを入れるのはそういうことですよね。当然色が違えば音が違ってくる。

藤原:声の良さもあるし楽器の響きが確かに嫌な音がしないですね。聴き心地がいい。

石田:あれが青くなるときっともっとキツめの音になるでしょうね。

藤原:特性としてはその方がよさそうですけどね。

石田:そうなるでしょうけど……。

長谷川:RSのトゥイーターTS-T1RS IIの色ですね。

石田:あれは思いっきり焼いたんですよ。

長谷川:そして、TS-V174Sではステレオイメージが感じられるエリアの拡大という点も謳われていますが、試聴室環境で聴くと、音場がとても広くまた聴き手に迫るような印象を受けました。実際にクルマで聴いても音場の展開の仕方はこれまでにない美点として挙げられそうです。

石田:あれはバランスドドームの効果でしょう。デュアルアークリングだとああはならない。指向特性の関係だと思うけれど、広い音場感は174のトゥイーターならではといえると思います。

カスタムフィットととして使いやすくというところでのバランスドドーム化だったのでしょうけれど、ずいぶんいい効果になりましたよね。

ASW:みなさんありがとうございました。記事をお読みのみなさんに、実際に体験して音楽をドライブを楽しんでもらいたいですね。

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