公開日:2024/12/08 06:00 更新日:2024/12/08 06:00
昨年とは違う党で代表質問(日本維新の会の前原誠司共同代表)/(C)日刊ゲンダイ
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先の衆院選で議席を大きく減らした“日本維新の会”が2日、吉村洋文大阪府知事(49)新代表の下、新たなスタートを切った。 だが、その先行きは明るくない。 「馬場(伸幸前代表)さんの意向もあったんやと思いますが、センスなさ過ぎやわ。見てみ、分裂しよるで」
2日発足の新執行部の顔ぶれを見て、こう憤るのは“大阪維新の会”創設メンバーのひとり。吉村代表の指名で共同代表に選出された前原誠司(62)を指してのことだ。
「吉村は野党第1党を目指さないと言い、大阪維新の原点回帰を訴え、大阪都構想の3度目の住民投票実施に意欲を見せています。一方の前原は政権与党を目指す政界再編論者ですし、連立政権入りが視野にあった前代表の馬場(伸幸)さんの路線に近い。来夏の参院選の結果次第では大阪維新の天敵ともいえる自民党や立憲民主党との合流も選択肢にあるとみています。いずれ衝突は避けられないでしょうね」とは同党の衆院議員秘書。
前原の“過去”については、多くを語る必要はなかろう。2017年、“希望の党”合流騒動で民進党を分裂、消滅させた“壊し屋”である。
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公開日:2024/12/08 06:00 更新日:2024/12/08 06:00
昨年とは違う党で代表質問(日本維新の会の前原誠司共同代表)/(C)日刊ゲンダイ
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昨年は国民民主党を突然離脱、その後の新党結成直後の維新合流で“裏切り者”にもなった。 その一方で前原は、1993年の初当選以来、政界再編の波に揉まれ、いくつかの政党をさまよいながらも連続当選11回を数える。民主、民進代表を務め、閣僚経験も豊富だ。
石破茂首相や立憲民主党の野田佳彦代表とは肝胆相照らす関係でもある。当選4回以下が大半を占める同党内にあって、キャリア、実力共に共同代表の資格は余りあろう。さっそく、前原は3日の衆院本会議で代表質問に立った。
昨年の通常国会では国民民主党の代表代行として同じ演壇にいた。さすがにこなれたものだ。評判は上々である。
折しも躍進著しい国民民主党は、前原のライバルでもある代表の玉木雄一郎(55)がグラドル不倫発覚で役職停止処分を受け、代表質問には若手ホープの浅野哲青年局長を抜擢した。
代表辞任は避けられないところ。 政界再編論者の前原にとっては政局をかき回すチャンス到来だが、独善、前のめりが過ぎれば、大阪維新との亀裂は深まる。“壊し屋”たるゆえんである。
(特命記者X)