試合レポート
11月27日、愛媛県の今治市営球場で「第11回 BFA U12アジア野球選手権」のスーパーラウンド第2戦が行われ、侍ジャパンU-12代表はチャイニーズ・タイペイと対戦。延長タイブレークまでもつれ込む接戦を演じたが0対1で惜敗し、決勝進出を逃した。
ともに韓国に敗れており「勝った方が韓国との決勝戦へ進出」という大一番は、14時から松山市の坊っちゃんスタジアムで行われる予定だったが、悪天候により15時から今治市営球場で行われることに変更。松山市からバスで1時間以上かけて移動し、試合に臨んだ。 試合は終始、緊迫した展開の中で侍ジャパンの粘りが目立った。 先発のマウンドを任された石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)は先頭打者をセンター前安打で出すなど、初回から2死二塁のピンチを招く。だが、相手4番打者のサードゴロは内野安打となったものの三塁を狙った二塁走者を一塁手の漆崎一輝(ドラゴン中藤スポーツ少年団)が冷静に刺して先制を防いだ。 以降も石﨑を中心に粘る。2回は四球と暴投、3回には味方の失策や盗塁でピンチを招くが、空振り三振やセカンドフライでピンチを脱出。4回は内野安打や味方の失策2つなどでピンチを招くが、捕手・惣宇利銀河(神明サンダーズ)の牽制刺や、石﨑もセカンドフライに抑えるなど無失点で凌いだ。
5回は鈴木陽士(松島ジュニアクラブ)が2死から安打を許し、続く打者にもレフト線への二塁打を打たれるが、この打球を左翼手の一寸木健翔(西湘シーホース)が追いついて冷静に処理し、一塁走者を本塁に向かわせず。ピンチは続いたが「勝って絶対に決勝に行くんだという意地でした」と鈴木が気後れすることなく腕を振ってショートゴロに打ち取ると、前の回に悪送球をしていた遊撃手の古畑太誠(深川ジャイアンツ)が思いきり腕を振って送球しアウト。何度も土俵際で踏ん張り、ベンチも大いに盛り上がっていった。
さらに6回は古畑がこの試合チームとして初めての三者凡退に抑えると、その裏にようやくチャンスが訪れる。
先発のサイドスロー右腕・周震泉に対して無安打に抑えられていたが、代打で先頭の福田周吾(IBCレイカーズ)がセンター前に抜けそうな打球の内野安打で出塁。ここで仁志敏久監督は代走に西谷内駿希(松任若体スーパースターズ)を送ると、続く峰岸走太朗(菱・境野フューチャーズ)が「こちらの方がバントを決めやすいので」と普段と異なる右打席で犠打を決めて1死二塁とチャンスを作った。だが周も粘り、惣宇利と古畑がともにセカンドゴロに倒れて先制ならず。試合は無死一、二塁から始まる延長タイブレークに持ち込まれた。
7回表の守備は、犠打で走者を進められ、スクイズで1点を失うも三塁手の立岩駿(古高松ブルースターズ)が三塁を回る二塁走者に気づき2点目を防ぐと、続く打者を古畑がショートゴロに抑えて最少失点で抑えた。
しかしその裏、4番・漆崎がバントを決められず強攻策に出るも空振り三振。この際に二塁走者の惣宇利が飛び出してしまいタッチアウト。最後は捕手として途中出場し好守も見せていた杉浦颯真(保々ジュニヤーズ)が打席に立ったが、ピッチャーゴロに倒れて試合終了。2016年の第9回大会以来2回目のアジア制覇はならなかった。
大会最終日となる29日は、松山市の坊っちゃんスタジアムで3位決定戦と決勝戦が行われ、侍ジャパンは前回大会に続く3位を目指し10時から中国と対戦する。
監督・選手コメント
仁志敏久督
「自チームでバントを必要とされていない選手たちですから、打たせてもよかったのですが、形は作りたいと思い、ああいう形になってしまいました。でも、試合を通してよく守りましたね。(4回無失点の石﨑は)1試合ごとに成長してくれたかな思います。昨日に続いての接戦で、緊迫した試合ができて選手たちは成長したと思います。明日はどういった姿勢で臨むのか、主将の惣宇利を中心とした選手たちに任せてみようと思います」
石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)
「(球数制限で今日が最後の登板)初めての球場で寒さもありましたが良い投球ができました。しっかり昨日の夜にぐっすり眠れて、チームのみんなの気も引き締まっていました。考えすぎずにキャッチャーミットだけ見ていました。(大会を通しての成長)細かいところまで教えていただいたり、サポートをしていただいたりして、この期間で個人としてもチームとしても成長できています。最後に3位を獲って終わりたいです」
大会期間
2024年11月23日~11月29日
オープニングラウンド(グループA)
11月23日(土)10:30 日本 16 – 0 中国
11月24日(日)14:00 フィリピン 0 – 9 日本
11月25日(月)14:00 日本 22 – 0 インド
スーパーラウンド
11月27日(水)14:00 韓国 2 – 0 日本
11月28日(木)15:00 日本 0 – 1 チャイニーズ・タイペイ
3位決定戦
11月29日(金)12:00 日本 10 – 0 中国
開催地
日本(松山・今治)
出場する国と地域
グループA 日本、中国、フィリピン、インド グループB
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、タイ