スタッフ会議を終え、囲み取材に応じる日本ハム新庄監督(撮影・鈴木みどり)
<記者の目> 日本ハム新庄剛志監督(52)が、ソフトバンクで日本球界に復帰する元日本ハムの上沢直之投手(30)への思いを初めて語った。8日、千葉・鎌ケ谷の球団施設でスタッフ会議に出席後、取材対応。古巣復帰を選ばなかった右腕に「悲しい」と率直な気持ちを吐露し、対戦した際は日本ハムファンのために打ち崩すと宣言した。また、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦後はFA扱いとなる現行ルールにも疑問を呈した。 ◇ ◇ ◇ 大前提として、上沢のソフトバンク移籍はルールに則している。問われるとしたら、帰国後も日本ハムの施設を利用していたのに他球団に行った点だ。道義的にどうなのか。とはいえ、日本ハムも施設利用を認めた上でのことなので、過度に責めるのは酷だろう。 現状のポスティングシステムに制度的な問題があると考える。球団からすればFA移籍の実入りは0。FA権取得前にポスティング申請すれば、メジャーから時に莫大(ばくだい)な譲渡金を得る。その資金で新戦力を整え、設備投資も可能。日米で経営規模に巨大な格差がある以上、必要な制度であるのは否めない。 ただ、今後は上沢のようなケースが続くことが危惧される。だからといって、自由契約となって渡米する選手に、国内では元所属球団を優先させるという縛りはつけにくい。申請対象は国内FA権を取得した選手や、マイナー契約を避けられる25歳以上などの条件を付けるのも一案か。 今や「メジャーでやりたい」選手の思いを抑えることはできない。それは認めた上でプロ野球が繁栄していく制度設計が必要だ。ポスティング制度を見直すとともに、新人の契約条件をもっと良くするなど球界全体の自助努力も欠かせない。さもなければ、ポスティングが問題になる以前に、直接メジャーを目指す選手がさらに増えることも十分考えられる。【古川真弥】
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************